mixiユーザー(id:263792)

2021年03月20日20:09

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319冊目『影の中の影』

月村了衛著

アメリカに亡命する途次、日本に潜伏するウイグル人亡命団を取材する女性ジャーナリストに危機が迫る。
白昼堂々東京のド真ん中で中国特殊部隊による拉致作戦が強行される中、彼女らを守る謎の男が現われる!その名は「カーガー」

月村先生お得意のド派手アクション。
っつーか、まんま『槐(エンジュ)』なんですけど →203
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1954883176&owner_id=263792

激強主人公に外道の敵役、ヤクザや不良が実は良い奴だったっつー泣かせのパターンも殆ど一緒。
「槐」から「影」まで刊行時期がたったの半年ですやんッ!!
当時誰も突っ込まなかったでしょうか?まあ面白いからいいんですけど。

っつーわけで、感想も「槐」とほぼ一緒。
違いはというと、、、先ずは性別、それから、、、「カーガー」の方が人格者ですかね。
強さも「カーガー」のがやや上かな、そもそも半グレ集団と中国軍の特殊部隊じゃ敵の格が違うか。
そうね、スピンオフで「槐 vs カーガー」とか読んでみたいかも。

そして今作の核である「ウイグル問題」の存在、これが一番デカい。
「槐」みたく半グレ集団ボコって、あースッキリしたじゃ終われない。ガッツリ政治色がねじ込まれてきます。
昨今の米中関係の悪化に伴い、巷の耳目に触れる機会も増えてきているのでは。
これほどの人権侵害を目の当たりにしておきながら、作中の亡命団同様、現実の日本国も結局はアメリカを頼らなければならないという情けなさ。
まさに「力なき正義は無力」也です。
まあアメリカを正義の国とするには些か強引ですが、共産党一党独裁の中国とは比べるべくもなく。
っつーか、そろそろ日本にも誰に憚ることなく自らの正義を貫ける力を持っていただきたい。

「カーガー」も作中自分と亡命団を守るため、力の行使を一切躊躇しません。
圧倒的暴力を前にして、それに対抗出来るのは武力のみという厳然たる事実。
そしてそれをも越える熱い使命感。
その人間を超越した戦闘能力を、世界中で虐げられてる人々を守るためにだけに使ってきた「カーガー」
敵を退ける戦闘能力は勿論、護衛対象者を守り切るには守られる者たちとの信頼関係も必須です。
では突然現われた謎の男である自分を、どうやって護衛対象者に信用してもらうか?
この問いに対する「カーガー」の答えに大いに納得させられた次第。
ネタバレになっちゃうんでココでは書けないのが辛いところ。
俺も力の信奉者ですけど、勿論世の中それだけじゃ上手くいかないっつーこともちゃんと理解してます。

月村先生、多分シリーズ化狙ってると思うんですが、、、
それにしては一作目でぶっちゃけ過ぎでは?
「カーガー」の謎全開示って、もっと引っ張れるのにモッタイナイ。
単発なのかな?一作で使い切るには惜しいキャラしてんですけど「カーガー」
基本無口な渋いオッサン、しかしいざ戦闘となれば無敵の強さを発揮。
ロシアの軍隊格闘術「システマ」に古武術のアレンジを加えた独自の戦闘術が良い味だしてます。
双方がマシンガンぶっ放す中、日本刀がリーサルウェポンになる辺り如何にもフィクションですが、良いんですッ!面白けりゃ。
中国の特殊部隊も暗器使い出すし。
オイオイオイ、アニメかよッ!と突っ込みましたが、案外絵になってますw
これがッ、これこそがッッ、月村アクションの醍醐味ですよと。
その分主人公である?女性ジャーナリストの取って付けたようなエピソードが蛇足感満載ですけど。

兎に角いつもの月村節全開、ベタベタの王道でサクっと読了。
でも最近の月村作品って、アクションものじゃなくなってきてますよね、、、
月村先生は絶対アクションの人だと思うんだけどなぁ〜


残念「槐」には一歩及ばす
★★★☆☆
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