荻原浩著
>“根拠なしポジティブ”の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れかわった! それぞれの境遇に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが……。おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説。
ベタベタの王道、全編予想通りの面白さ。
多分こんなストーリー展開で普通に楽しめるんだろうなぁという予想がドンピシャでハマるっつーね。
逆に言えば「ほぉ〜〜こう来たか♪」という意外性に欠けるだけで、他の要素はほぼ揃ってます。
まさに王道の強みと物足りなさを体現したかのような作品。
異文化交流大好物なんで。
戦前と戦後ではまるで別の文化圏みたいなもんですから。
現代に飛ばされた吾一が経験した退廃と自由も、戦時中に迷い込んだ健太が体感した絶望と高潔さも全部同じ日本なんです。
ひたすら御国の為と猛訓練に励んできた軍国青年が現代にタイムスリップしたらどうなるか?
ハイそう、皆さんの予想通りです。
物に溢れかえる先進科学文明の圧倒的豊かさに驚愕し、乱れる風紀と道徳心に欠ける人々の精神的貧しさに憤る。
ハイハイもうね何もかもが予想通り。
だがッしかしッッ
面白いんだなぁ〜コレが。ベタの強みここに極まれりですよ。
現代に飛ばされた吾一は遙かにマシ。
若い娘が皆売春婦みたいな格好してるのがはしたないとか、街中でゴミのポイ捨てが許せないとか、そんなもんは戦時中の大日本帝国に比べれば、レクレーションみたいなもんです。
チャラ男のフリーターが究極のブラック企業ともいえる旧軍での生活を強いられるとしたら?
想像するだに恐ろしい、俺だったら三日も持たねぇ。
しかし持ち前の要領の良さで何とかかんとか切り抜ける我らが健太。
見直したわッ!
正直、吾一の現代パートの方ばかり期待してましたが、健太の戦中パートも中々に読ませます。
そうね、さっき何もかもが予想通りとか書いちゃったけど、ココはちょっとばかり予想外だったかも。
狂った軍国主義の中にあっても、気の良い奴らはいる。
そうです、彼らだって同じ日本人なんです。
そして徐々に明らかになる過去から現在へ繋がっていく運命。
ひょっとして今喋ってるコイツって、、、
じゃあコイツが死んじゃったら俺は、アイツはどうなる?
あ〜〜あるあるある♪
はてさて吾一と健太はそれぞれの時代に戻れるのか、、、結末もほぼ的中。
まぁ、ああなりますわな。もうちょっと二人を追っかけたい気もしますが、それは野暮ってもんです。
じゃあ野暮ついでにもう一言。
殴る蹴る怒鳴る当たり前、鬼の様な上官ばかりの中、何かと健太を庇ってくれる温和な合理主義者「片山分隊長」、しかし彼には秘密が、、、ってこの設定いるか???
マジここだけ謎なんですけど。普通に良い人じゃ駄目なの?
そうだった!ここはベタじゃないです、ヒネってあります。
うーーん、捻挫までいっちゃてる感じ?
ベタベタの王道、安定の面白さ
★★★☆☆
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