mixiユーザー(id:263792)

2018年11月05日21:57

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260冊目 『天主信長 我こそ天下なり』

上田秀人著

また本能寺かッ!
そぉでぇす、また本能寺。
ネタもフリもオチも全部知ってる話なのに面白い、そう!それが「本能寺の変」
戦国興味ない人ゴメンナサイ、置いて行きますw

もう尽きたろうと。パターンね、パターン。
もう出尽くしたでしょ?あらゆる手法はやり尽くし、最早新手のパターンが出てくることは皆無。

「そんなふうに考えていた時期が俺にもありました」

いやぁ〜〜上田先生、参った参りました。
まさかこんな角度から切り込んでくるとはッ!!

「信長が本能寺で討たれる、実行犯は光秀」
SFだったら未来に転生とかもアリだけど、あくまで歴史小説なんでこの縛りは絶対。
史実と史実の合間、資料と資料の余白でいかに遊ぶか?
ココが歴史作家の腕の見せ所ですが、いやぁ〜〜上田先生、こう来ますかッ!?
ヤツを黒幕にって、マジかッ!?
過去にも考えついた作家さんはいるだろうけど、ホントに黒幕に据えちゃうんだもん。
ネタの斬新さは抜群、シチュエーション的にも無い話じゃない。
後は整合性だけですが、、、

勢いだけで読み進めるが、一旦立ち止まると「むむ?」となるのは事実。
動機付けや細部の詰めが甘い。
特に俺が突っ込みたいのは、信忠の処理が甘いってこと。
あの計画じゃあ、すぐ近くの妙覚寺にいる信忠どうすんの?
事情を知らない信忠の動きが読めないんで、それこそ計画自体が無茶苦茶になる可能性ありますよね。

、、、、、、。

ヤベぇヤベぇ、ちょっと言い過ぎました、これ以上突っ込むとネタバレしちまう。
それから動機も。
あまりに論理が飛躍し過ぎっつーか、「風が吹けば桶屋が儲かる」の途中がスッポリ抜け落ちてるっつーか。
他人を信じて、わざわざこんな博打に打って出るか?
あの黒幕なら、もっとリスクとリターンを冷徹に分析すると思いますけど。
ここいら辺が結構フワッとしてて、やや消化不良。

さらに重箱の隅をつつかせてもらうと、主役以外の脇の描写、特に明智光秀関連が雑。
桂川渡河後の光秀の台詞が序章と終章で違う、斎藤利三が「日向守どの」←普通に殿で良くね?
本筋に殆ど絡まない脇役扱いとはいえ、本能寺モノでここまで魅力のない光秀は初めてです。
まあコレは、俺が光秀ファンっつーのを多分に含んでますけど。

とは言え、この圧倒的に斬新な「本能寺の変」は、歴史ファンならば一読の価値あり。
作中、信長と一番絡む人物が竹中半兵衛というのも今までに無いパターンで、新鮮に読めました。
カリスマ的独裁者と、それが暴走したときのブレーキ役になる有能な側近。
ベストとは言いませんが、衆愚政治よりよっぽどマシな政体なのでは。
返す返す早世が悔やまれます。
と、その半兵衛の理念を受け取った、黒田官兵衛目線の姉妹編「天主信長〈裏〉 天を望むなかれ」も要チェックですな。


まだあるか本能寺金脈?
★★★☆☆
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