『キャプテンサンダーボルト』 阿部和重/伊坂幸太郎著
>世界を救うために、二人は走る。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。公開中止になった幻の映画。迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、カウントダウンがはじまった。二人でしか辿りつけなかった到達点。前代未聞の完全合作。
リアリティというブレーキはブッ壊れたッ!
エンタメアクセル全開ッ!
キャラクター、ストーリー、揃いも揃って大暴走ッ!
さあぁぁ〜〜て、感想や如何に?
ゴメン、俺駄目だわ。
客が常連ばっかの飲み屋に飛び込みで入った感じ。
全然話の輪の中に入っていけねぇ。
そもそも、「昔のヤンチャ連中が集まってまた何かやらかそうぜ!」←このノリが無理。
うん、嫉妬と憧れみたいなモンもあると思う。振り返れば学生時代、地味で真面目だったもんなぁ〜〜ゲームばっかしとったからね、うん。
こーゆーケンカ強くて、仲間に頼られて、好き勝手生きてるのに結局何とかなっちゃうみたいなヤツ、正直羨ましいわ。
そう、何とかなっちゃうのよ。もの凄ぇピンチの連続にも関わらず。
謎の組織のターミネーターみたいな殺し屋に命を狙われてるのに、読んでて全然ドキドキしねぇ。
だって何とかなっちゃうんだもん。
絶体絶命の緊迫感も、それを乗り切った安堵感も全く伝わらず、淡々とイベントがクリアーされてく感じ。
「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!「恐怖」を我が物とすることじゃあッ!
ウィル・A・ツェペリの名言ですね、私も大好きな言葉です。
そう!恐怖を克服してこその勇気なんだけど、勇気振り絞る必要ナシ。だって恐怖が麻痺してんだもん。
ターミネーターに殺されかかってんのに、ウキウキしてるヤツってどう?
頼もしい?確かに。でもそれ以上に付いていけねぇっつーか、理解できねぇっつーか。
俺ビビりなんで。
恐怖が麻痺してる人、もっと拡大解釈するなら空気が読めない人。
マジでメチャメチャ苦手。
例えば、、、そうね、クラクションガンガン鳴らす人とかね。
ビビりかつ常識人である俺は、おいおいケンカになったらどーすんの?と思うわけ。そーゆーのたまに全然気にしないヤツいるじゃん、ホント無理。
本作主人公「相場時之」がまさにこのタイプ。
バディものっつーことで、もう一人相場を抑える役割の冷静沈着タイプ「井ノ原悠」が配されてはいるが、他の殆どのキャラがブッ飛んでるので焼け石に水、ストーリーは当然暴走状態。
まぁフィクションなんだから、そう杓子定規に捉えんなってところなんだろうけど、この小説ファンタジーじゃねぇから。
ファンタジーならリアリティ無視しても構わんが、現実世界が舞台である以上、やっぱある程度の説得力は必須でしょう。
現実世界が舞台なんだからとは言いつつ生活感漂う井ノ原パート、実はかなり気が滅入ります。
皮膚病の息子の為に高額の治療費で借金苦。
確かによくありそうな話って、、、違う違う、こっちの方のリアリティじゃなくて、本筋の方!テロ事件の方のリアリティをお願いします。
この井ノ原パートの鬱々とした気分を相場パートで吹っ飛ばすっつーのは、解らんでもないが、、、
やっぱブッ飛び過ぎ。
昔の洋画みたいなセリフの掛け合いも正直やや寒。
仙台の地名バンバン出されても、コチトラ土地勘無し。
官僚にも立派な人はいるっつー件は、おお珍しいとちょっと驚いたものの、最後は安定の権力批判に帰結、結局そこに落ち着くんだ。
イイよねぇ〜〜、御上叩いときゃ八方丸く収まるから。
国家権力って、最早悪役としては安牌過ぎるわ。
あッ!過激な環境保護団体が揶揄されてんのは、やっとこ少しは踏み込んだなと思いましたけど。
そうそう「赤木駿」さんにも触れとかなければ。
主役二人が大ファン、往年の戦隊ヒーローもののレッド役。
題名もこの人のこと。このキャラがいい味出してます。
惜しむらくは出番が少ない。もっと絡んでくれれば、俺ももうちょっと作品に感情移入できたのに残念。
エンタメとリアルのバランス
★★☆☆☆
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