『祖父たちの零戦』 神立尚紀著
›「ミノル、俺たちのやりたかったのはこんなことだったのかな」――
“二十七機撃墜・味方損失ゼロ”奇跡の初空戦を指揮した進藤三郎、
敗色濃くなった南太平洋でなおも完勝をつづけた鈴木實、交錯する
二人の飛行隊長の人生を縦糸に、元零戦搭乗員一二四名へ未踏の
二〇〇〇時間インタビューを横糸にして織り上げた、畢生のノンフィクション!
大日本帝国の命運を一身にその翼に背負った名機、「零戦」
重慶上空完勝のデビュー戦から無敵の太平洋戦争緒戦、ガダルカナルを巡る一大消耗戦。
続々と投入される米新鋭戦闘機。叩き上げのベテランパイロットが一人また一人と散ってゆく。
そして遂には、特攻へ、、、
四百項。中々の厚さながらサクサクと読了。
零戦については大方既に知っているつもりだったが、それでも初めて聞くことが多々あった。
意外にも空中戦そのものより、軍隊生活の実態や給料の使い道、戦後の苦労話等の方が興味深く印象に残った。
七十年前の軍人というと我々と殆ど接点が無いように思えるが、そんなことはない、読み進めていくうちにどんどん親近感が湧いてくる。
ケンカもすれば恋もする、決して洗脳されたロボットなどではなく普通の若者達、俺達と同じ日本人なのだ。
そんな気のいい奴らが次から次と死んでいくのは読書上の追体験とはいえ、本当に切ない。
表紙の写真なんか、ホントに良い一枚だな〜って思う。
それに引き換え銃後の冷淡さよ。
戦時中はやれ軍神だの荒鷲だのと散々もてはやしておきながら、戦後は一転、侵略戦争に加担した殺人鬼かの如き扱い。
この日本人の手のひら返しの厭らしさ。
何か日本人て、日本の為に一生懸命頑張ってる人に冷たくね??
あと、坂井三郎批判?について語っておかなければなるまい。
う〜〜ん、俺、坂井三郎大好きなんでね、、、ちょっと困惑っちゅーか、うん。
ネズミ講の話は初耳、マジかッ!?
喧伝された光の側面しか見てなかったんかね?
まあ、色々あったのは当然だろうが、それでもやっぱり日本で一番有名なエースパイロットなのは間違いないわけで。
例え昔の搭乗員仲間から評判が悪かろうとも、戦後の活動で、失墜した日本人の対外イメージ改善に少なからず貢献したことは大きな功績なのでは。
大勢仲間が死んでるのに、執筆に講演と、派手に動き回ることに眉をひそめるのは理解できる。
しかし、「あいつらのことは俺が一番解っている」と胸に秘めてるだけでは誰にも伝わらない。
やはり言葉で相手に語りかけないと。
坂井さんのようなある種スター性を持った語り部が現れたことは、あの時代を戦った日本航空隊全搭乗員にとって僥倖だったと俺は信じたい。
貴重な記録
★★★★☆
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