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2017年06月29日06:48

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vol.39 流通各社がサラダメニューをイチ推しする背景(Food104メルマガ転載)

毎度長文で失礼します。先週はサラダについてメルマガ執筆しました。昨晩発行の今週号ではセブンの沖縄進出戦略について解説しました。

『vol.39 流通各社がサラダメニューをイチ推しする背景』

 前回はファミマが肝いりで立ち上げた中食構造改革プロジェクトについて紹介しました。みなさまもその後、ファミマの品質が向上した中食を召し上がる機会はありましたでしょうか?いらっしゃればご感想などお聞かせ願えると幸いです。

 さて今回のテーマはサラダメニューです。厚生労働省は健康の為に1日に350gもの野菜摂取を推奨していますが、それを摂ろうと思ったら並大抵の努力では難しいと、みなさん感じているのではないでしょうか。コンビニ食=栄養が偏る、というイメージを少しでも払拭しようと、各社サラダメニューの充実に力を入れています。

 特に健康志向の強い女性やメタボ中年サラリーマンへのアピールに躍起なのは、当然コンビニ業態だけでなく、百貨店などに展開する持ち帰り惣菜チェーンや、外食チェーンでも同様でしょう。最近のスーパーでは海外からブームに火がついたチョップドサラダをウリにする店も出始めています。1人前千円前後もする値が張るサラダですが、注文を受けてから、お客様が自由に選んだ具材を目の前で食べやすくチョップしてくれるのは、ある種のエンターテイメントで、コト消費の一種で、感度ある消費者に受けているのでしょう。

 コンビニでは通常のサラダに加えて、業界では通称バケツサラダと呼ばれる、大きな容器に200g前後もの生野菜を入れた商品がいつのころから必須の品揃えになってきました。超低カロリーで、食物繊維たっぷりでお腹を満たすには最適の商品です。スーパーでもだいぶ見かけるようになってきました。以下はファミマの例です。

1/2分の野菜サラダ(285円税込、39kcal、食塩相当量0.1g)
https://yahoo.jp/box/jhzHSE

 パスタサラダというカテゴリーも各コンビニに無くてはならない商品群に成長しました。たっぷりの野菜に、肉(豚しゃぶや蒸し鶏)や魚介(ツナや明太子)などのバリエーション豊かな具材とドレッシングでいただく1食完結型のメニューで特に女性に支持されています。男性も意識しているのかパスタでなく、麺にラーメンを用いたラーメンサラダもあります。ただパスタなどの炭水化物が入るとどうしても400kcal前後になってしまいます。

 それでも充分低いとは思うのですが、ここがコンビニの商品開発魂の凄い所で、さらなる低カロリーを実現すべく近年品質のレベルが格段に向上した、こんにゃく麺を使用する事によって、1食わずか100kcalぐらいの商品まで開発してしまいました。これぞまさに、ダイエットにぴったり、かつ満足感あり美味しい超低カロリーメニューです。以下にセブンの例を挙げます。

こんにゃく麺と蒸し鶏のサラダ(298円税込、107kcal、食塩相当量3.3g)
https://yahoo.jp/box/n21iMk

 開封して洗わずにすぐ食べられる袋詰めのカット野菜も便利で、外でのランチ時だけでなく、食卓に利用すれば調理時間も短縮でき外葉や芯などのゴミが出ないメリットもあります。消費者の中にはできあいのサラダやカット野菜は製造時に栄養が流れ出ていそうと敬遠するむきもありますが、生野菜は虫や土が混入しやすく、菌の繁殖リスクも高い為に、次亜塩素酸ナトリウム(残留塩素濃度を法廷基準内に抑えるのは必須も、安全の為には水道水より塩素濃度を高めにする必要あり)を含む大量の水で、激しく泡立つ水槽で洗浄(バブリング洗浄)するので、栄養素の流出は止むを得ない所ですが、気になる方は、手間暇かけてサラダを手作りして下さい。

 手軽に野菜を摂れるという意味では、ちょっと前にブームになったスプーンで食べるクリーミーポテトサラダや、飲料ですがローソンが大ヒットさせた、飲みやすいグリーンスムージー各種、さらに昨今のスープブームの影響か、コーンやトマト等の野菜をふんだんに使った、おかずにもなるスープなど、ちょっと近所のコンビニに行って、ここまで豊富な野菜系のメニューが手に入るこの日本という国は、海外から見たら驚きの目で見られることでしょう。

 オクラ・山芋等のネバネバ食材、高リコピントマト、亜麻仁オイルや、キヌア、グラノーラなどの健康志向食材を次々と使用して、新登場するコンビニサラダからは目が離せません。

 異常気象により毎年のように繰り返される各種野菜の高騰も、コンビニはじめ流通各社のサラダ系メニューには追い風になっているはずです。

 最後にコンビニ関連ニュースをひとつ紹介したいと思います。昨年引退したセブンアイの鈴木元会長に給付される退職金が10.9億円とひっそりと報道されました。大きく報じられる事がなかったのはカリスマ経営者と呼ばれた氏への関心が薄くなりつつある証拠かもしれませんが、それにしても巨額です。先日取り上げたファミマの黒幕引き丼のモデルとなった上田元会長への退職金も3億円と言われていますが、それと比べても鈴木氏退職金の巨額さが分かると思います。筆者から余計なお世話な心配を申し上げると、約11億円の退職金は氏の二社への貢献度合いからなのか、約5億円ずつがセブンイレブンとイトーヨーカ堂から支出されています。毎年2,000億円以上の利益を叩き出し、かなりの額の内部留保もあるであろうセブンにとっては痛くも痒くも無い出費かもしれませんがここ数年赤字かとんとんの決算のヨーカ堂にとっては、ずしりと重い負担ではないでしょうか。

 参考までに各社の2017年5月の売上・出店動向です。
セブン2万点間近、ファミマ看板替え進むもグループトータルでは30店の純減です。
https://yahoo.jp/box/W1YrsB
https://yahoo.jp/box/hGhHnN

6月19日時点筆者体重 69.0kg、前回比+0.2kg
運動量を食べる量が上回っている反省すべき一週間・・・

※当コンビニレポートコーナー内で述べられているコメントについては、各種データ、筆者の知見に基づき作成されていますが、その全てが正確性、確実性を保証するものではありませんのでご了承下さい。
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