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2013年11月20日09:28

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『海岸の夕陽』〜ゴールデンウィークの想い出



つめたい風が耳を鳴らす
水平線には雲が降りている



突然思い付いたゴールデンウィークは
小さな島の蕎麦屋
長い橋がなんでもない島に渋滞をつくる
退屈な車内にもとりあえずの想い出話が列をなした



対向車に思わぬ仲良しの顔を見つけ
妻と二人の車内にはずむ電話の声が加わる
偶然のオモチャに三人の話が沸く

「よく気づいたね」
妻のいっぱいの笑顔で有り難い渋滞を抜けた



蕎麦屋の閉店時間は橋の上にあったようで
店に入ると最後の客が身支度をしていた

田舎のパートさんは引けが早いのか
駄々をこねるわけにもいかず
別の店で地元の方言を聞くことになった



海岸を回り日没見物の場所を確かめたあと
暇つぶしに古い灯台の袖に立った
少し早いアイスクリームを買い
なんでもない景色を楽しんだ

小さな島が人もまばらになった頃
二人の特等席に向かった



海岸に車を止め菓子を食べながら
水平線の雲をうらめしく思った

ゆっくりとした時間がやけに心地よい
雲の切れ間の四角い夕陽が妻を照らす



長い橋の先に見るものは
こんな夕陽でいいのかもしれない




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