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2013年06月16日18:32

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『私と「私」』


私は今、私の左手の人さし指をうごかそうと試みている。


私が私だと思うものは、本当に「私」というものなのだろうか。
皮膚に囲まれた私の体をもって、「私」と言いたいところだが、内臓は私のいうことをきかない。
「私」と内臓との間に「なにものか」が存在するようで、「それ」は、「私」を介さず、直接内臓に指令を送っている。
と、なれば「それ」が「私」を作り上げ、「私」は「それ」を介して体を動かすようにしむけられているに違いない。
私が眠るとき、息を止めないでくれ、と「それ」には頼まないが、「それ」は「私」の意識のスイッチを切り、横隔膜を動かし続け、また、意識のスイッチを入れる。
そしてまた、「私」は目覚め「させられる」。

「私」はどこにいるのだろうか。
「私」は外界と接するための、「ダミー」ではないか、と考える。私が「私」だと考えるものは、「それ」が組み上げた積み木のようなもので、指先で積み加えることも出来るし、崩すことも出来る。「私」は「それ」のおもちゃなのだろう。つまり、「私」は単なる数列となんら変わりはない。


そんなことを考えながら、私は、私の左手の人差し指が動くのを確認した。


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