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2019年01月11日08:15

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読書日記Nо.1147(ロジカルにスッキリ解る中国論)

■田中信彦「スッキリ中国論」2018年10月日経BP社刊

副題は、“スジの日本、量の中国”。

読書日記で小説が続いたので、ノンフィクションに戻ります。
本書は、日経ビジネスオンラインで話題になっていた本。

米中貿易戦争で、中国が日本に対し融和的に接近しているので、
最近は、中国に対する日本人の感情は、穏やかなものになっている。
(それに対し、韓国はなんとかなりませんかね。)

ただ、一般的な日本人にとって、中国人や中国社会が、どのような
価値観で動いているかが、今一つ分かっていない。

本書は、30年以上にわたって、中国でビジネスを行ってきて、奥様も
中国人である著者が書いた、経験に基づく中国と日本の比較論で、
エピソードも豊富、とても刺激的で面白い本だった。

中国人って、そう考えるのね、とスッキリ腑に落ちた。
惹句を紹介しますね。

“■仕事が出来なくても自己評価が異様に高い
 ■ちゃんと調べず、しかも話を盛りまくる
 ■小銭を借りてもすぐ忘れ、返してくれない
 ■食べ終わっていない皿を無言で下げられた
それ、なんで? 「スジが通らない! 」と日本人をイラつかせる中国人の行動。
 その理由が、ロジカルに"スッキリ"わかります! ”

“中国が好きでも嫌いでも、中国人が好きでも嫌いでも、それはどちらでもかまわない。
大事なのは、向き合う覚悟を決めるか、自らの弱さに負けて目を逸らすかだ。
真正面から向き合うために必要なのは、ムダな誤解を避けること。”

“中国人がものを判断し、反応する時の「クセ」「反応の相場」と、
それらが中国社会のどのような仕組みから生まれてきたのかをお伝えしたい。
中国人や中国社会の判断基準の根底にある行動原理のようなものを、
具体的かつロジカルに明らかにできれば、と思う。
それだけで日本人が感じるストレスはかなり軽減するはずだ--”

目次と小見出しの抜粋も紹介。

【第1章】 「スジ」に沿う日本、「量」で考える中国
 ・小銭を返さない中国人は、何を考えているのか?
 ・「日本人は買わない客にも丁寧! 」と驚く中国人
 ・「社会をよくすること」は統治者の仕事

【第2章】 「スジ」と「量」の特性はこう表れる
 ・「仕組み」が苦手な中国、得意な日本
 ・稼ぐなら「投資」の中国、「仕事」の日本
 ・中国人は「先払い」、日本人は「後払い」

【第3章】 「量」の中国人が会社で考えていること
 ・あっさり会社を辞める理由
 ・まず「どこなら高く売れるか」と考える
 ・景徳鎮にみる「蓄積を生まない働き方」

【第4章】 「量」の世界は毎日が闘い
 ・ほとんどの人が負ける競争社会・中国
 ・単一の価値観が「個」の自立を阻む
 ・競争に疲れた人々が逃げ込む先は

【第5章】 「スジ」の民、日本人の生きる道
 ・中国は「スジ」の価値を理解し始めた
 ・「量」の中国で「スジ」を通せるか?
 ・スジの「美学」をコントロールせよ

【第6章】 「量」の社会にスマホがもたらした“革命"
 ・スマホは中国社会をどんどん変える
 ・「量の社会」の弱点をスマホが補う未来
 ・シェア自転車の急失速から考える「スジ」と「量」

帯でユニクロ・柳井社長の賛辞が掲載されていたのでそれも紹介。

“「日本人と中国人の間には誤解が多い。
お互いが相違点を理解し、
一緒に仕事をすれば必ずWin-Winの関係になる。
本書は、そのためにとても役立つ」”

日本も日本人も、隣国の大国である中国や中国人と、付き合っていかざるを
得ないが、それも面白いかもと、納得できる本でした。

こんな中国論は初めてで、中国に興味がある方には、オススメします(^^♪

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