■稲増龍夫「グループサウンズ文化論」2017年12月中央公論新社刊
副題は、“なぜビートルズになれなかったのか”。
最近、夜、ユーチューブで、色んな音楽を聴いているが、中学生だった
半世紀前の流行歌が聴けるのは、とてもありがたい。
深夜放送でかかった洋楽なども聴くが、懐かしいのはグループサウンズ。
グループサウンズと言っても、40代以下のマイミクさんは「?」かも。
グループサウンズは、1965ー1969年の5年間で、一挙に火が付き、一挙に
廃れた、日本のポップサウンズのこと。
代表的なグループは、タイガースやテンプターズ、スパイダーズに
ブルーコメッツあたりかな。
私の中学生時代は、1966年ー1969年なので、ちょうどグループサウンズ
全盛期に、多感な中学生で、片思いの女子は、タイガースのジュリーに
ゾッコンだった。
私も、高校生のとき、ブラスバンド部の一年年上の、素敵なお姉さんに
「ジュリーに似てる」と言われて、そのリップサービスの言葉を、今でも
覚えているのは、中学生のときの思い出が強かったからか。
さてさて、本書でした。
惹句を紹介します。
“タイガース、テンプターズ、スパイダース、ワイルドワンズ、ブルー・コメッツ…。
1960年代後半に大ブームを起こしたグループサウンズは“時代の徒花”だったのか?
なぜ、彼らはビートルズになれなかったのか? ”
“『アイドル工学』の著者が、関係者との対話を通してGSの歴史的再評価に挑んだ
意欲作。岸部一徳、近田春夫、宇崎竜童、すぎやまこういち、コシノジュンコほか、
グループサウンズに関わった音楽家たち、影響を受けた世代との対談も収録。”
章立てと小見出しの抜粋も紹介。
序章 グループサウンズはなぜビートルズになれなかったのか?
第一章 ステージの上から
・岸部一徳ータイガースが見た「時代の景色」
・宇崎竜童ー全てはGSから始まった
第二章 GSが変えたもの、遺したもの
・すぎやまこういちータイガースの楽曲が画期的だった理由
・コシノ・ジュンコージュリーと薔薇の刺繍
・湯川れい子ー女の子の歓声は新しいエネルギーだった
第三章 異議申し立ての時代に
・四方田犬彦ーカウンターカルチャーとしてのGS
・きたやまおさむーGSに主体性はあったのか?
第四章 未来へ―世代を超えるGS
・宮沢章夫ーGSの精神とサブカルチャー
・小西康陽−「渋谷系」とGSの間に
終章 あらためて「グループサウンズの時代」を総括する
読んでいて、胸が熱くなった。
昔の音楽を聴くと、当時の風の匂いなどが、おもいがけずふと蘇る。
そのノスタルジアに溺れたのかもしれない
まあでも、それこそ、道楽読書の真髄でもある(^^♪
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