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2016年03月12日21:09

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読書日記Nо.897(会社という病)

■江上剛「会社という病」2015年12月講談社α新書

現代日本では、自営業や公務員として生計を立てていらっしゃる方も
おられるが、大半は、サラリーマンという形で、会社で働いているのでは。

私も、大学を出るのが少し遅れて、24歳から会社で働き始め、もう36年
ちょいサラリーマンとして生きてきた。

ただ、働いたのは、一社だけではなく、現在は三社目だが、どういう風の
吹き回しか、現在は、サラリーマン経営者となっているので、61歳という
いわゆるサラリーマン定年を超えても、仕事は現役の前線にいる。

いつまでも若いと思っているわけではないが、やはり、長い期間を会社
という組織で生きてくると、会社というものに対して、いろんな思いが澱
のようにたまっていることを、実感しないわけにはいかない。

著者の江上剛さんは、私と同い年で、長らく銀行で働いた後、作家になって
いわゆる企業小説の分野で、多くの読者を獲得している。

サラリーマンとして苦労した経験の裏打ちがあるので、その小説の細部は
サラリーマンの琴線に触れる部分があるのですね。

本書は、小説ではなく、「会社は病んでいる」という切り口で、会社の種々
の実態を、エッセイ風に綴った文章。

若い人が、会社とはどんな組織なんだろうと、読む本ではなく、たぶん、
会社という組織で働いてきたオジサンたちが読むと、グッとくる本では。

惹句を全部、紹介。

“生き苦しいのは会社のせいだ!

●人事・・・そんなに偉いか東大卒
●出世・・・昇進イコール幸せとは限らない
●派閥・・・持病と思って付き合おう
●上司・・・バカ上司とは大声で戦え
●左遷・・・人事に左遷なし
●会議・・・会議の9割はムダである
●残業・・・上司の無能のバロメーター
●定年・・・経営者にこそ厳格な定年を
●根回し・・・不毛なようで意外な利点
●社長・・・会社の生死を決めるヒト

ほか

会社に残る制度や慣習、風土にルール。
人生の諸悪の根源をまとめて一刀両断! ”


“「オレは聞いてない!」…と上司が口にした時、あなたの会社は危ない。
東芝、フォルクスワーゲン、旭化成建材…会社の病気は制度・風土・
ルールから始まる。 ”

まぁ、この人は、都銀という業種の大企業で働いてきたので、会社という
組織全般が、この通りかというと、ちょっと違うが、通底するものは、同じで
人間の組織が織りなす綾が、語られているのですね。

先日、会社に挨拶に来た、銀行の支店長は、作家の池井戸潤の先輩
だったということで、池井戸潤にOJTをしたとのことだが、銀行員時代の
池井戸は、目立たない、暗い男だったという。

まぁ、働くということは、身過ぎ世過ぎだが、その中をかいくぐってくると
万感の思いがあって、それを、小説という形で昇華できる人もいるという
ことですね。

なんだか、いつもの道楽読書日記のテイストと違うと思われたマイミクさんも
いらっしゃるかもしれませんが、こんな読書日記を書くこと自体、道楽なんです(^^♪
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