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2015年12月27日23:15

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ジャンボ鶴田怪物伝説(214)

82年グランド・チャンピオン・シリーズ第2戦は4月17日、大分県立荷揚町体育館大会、メインイベントはドリー・ファンク・ジュニアにテッド・デビアスが挑戦したインターナショナル・ヘビー級選手権試合。

同シリーズはチャンピオン・カーニバル最終戦と重なった開幕戦以外は連日、タイトルマッチや夢のカードが組まれています。

ファンク道場師弟対決はデビアスがチャンカン終盤戦で多用した足4の字固めでドリーを攻め立て、ドリーは何度かエスケープ。

さらに足4の字に来たデビアスを一瞬の首固めに捉え36分31秒、ドリーが勝利。ドリーは前年11月1日、後楽園ホールでブルーザー・ブロディに反則勝ちで王座奪回に成功して以来、先の馬場、鶴田、天龍のアメリカ遠征ツアーに帯同した時、ハックソー・ブッチ・リード、ビル・ロビンソンを相手に2度の防衛。

来日前の4月2日、テキサス州アマリロ・シビックセンター・コロシアムでハーリー・レイスに22分45秒、リングアウト勝ちで3度目の防衛を果たしておりデビアス戦が4度目の防衛でした。

セミファイナルでスタン・ハンセンとブロディの超獣コンビ(ミラクルパワーコンビ)が日本初結成され馬場、天龍組と対戦。

5分33秒、ハンセンがラリアットから天龍を体固めで豪快に日本初戦を飾っています。

鶴田はセミ前でテリー・ファンクと組み、このシリーズ4月19日、広島県立体育館と最終戦の22日、東京体育館の2回、UNヘビー級王座を賭けて対戦するレイス、バック・ロブレイ組と対戦。鶴田がロブレイを体固め。

このシリーズ、特別レフェリーとして全日本に初登場した鉄人ルー・テーズがこの日から若手相手にエキシビションマッチを行い、菅原伸義(アポロ)にバックドロップから体固めで勝利。

新日本色の強いテーズでしたが、この時期は新日本とは切れており引き抜き云々はありません。

テーズは77年3月31日、4月1日の新日本プロレス蔵前国技館2連戦に特別レフェリーとして来て以来新日本からは声がかからず、79年9月には国際に登場。

81年1月から自ら所有していたNWA世界ヘビー級王座のベルトを寄贈(実際には貸与)してのルー・テーズ杯争奪リーグ戦の予選が開催されましたが決勝リーグ戦が行われる前に団体が崩壊。

呼ばれればどこの団体でも行っていたと思います。ただ、テーズをわざわざ馬場が呼んだのは猪木と新日本を当然意識しており、それなりの理由がありました。

テーズはこのシリーズ、馬場からの依頼で鶴田に「ヘソで投げる」バックドロップ伝授をしています。

テーズのバックドロップはグレコローマンバックドロップとも言われ、相手の腰を抱えて背筋を利して居反りで投げる一撃必殺の大技。

日本では猪木がテーズ式のバックドロップを好んで多用。代表的なのがウィリエム・ルスカとの初戦で見せた3連発でフォームも美しかったです。

しかし、猪木の場合は投げる際に右足が流れてしまう欠点があり、テーズのように両足がピタリとマットに着いたまま投げきることはなかなか出来ませんでした。

猪木はこの点を40代に入ってから克服、舌出し失神事件のハルク・ホーガン戦やブロディとの初対戦を見ると両足がピタリと着いた綺麗なバックドロップを見せています。

ですが、残念なことにレスラーとして体力のピークは過ぎており、バックドロップではもうホーガンやブロディのような怪物を仕留める事は出来なくなっていました。

鶴田のバックドロップは相手の片足を持ち上げて弧を大きく描いてゆっくり落とすドリー式。

師匠馬場もこのドリー式を使っていますが、見映えは確かにいいですがなだらかな感じでスピードにはやや欠ける嫌いがあります。

テーズのヘソ投げ式を鶴田にマスターさせ、やがてはかつて自らの代名詞であったインターナショナル・ヘビー級のベルトを、というお膳立てがこの時にスタートしたと考えられます。

第3戦は4月18日、徳山市体育館大会、メインイベントはハンセン、ブロディ、ジミー・スヌーカ組のトリオが実現。

対戦相手はテリー、鶴田、デビアス組。後にハンセンのパートナーとなるデビアスと初対決となりました。

1本目は7分2秒、スヌーカが鶴田をダイビング・ヘッドバットから体固め、2本目は2分53秒、鶴田がスヌーカのスーパーフライをかわして体固め。

3本目は4分27秒、両チームリングアウトとなり1-1の引き分けとなっています。

セミでは馬場、ドリー組vsレイス、ロブレイ組で馬場がロブレイを体固め。

この日は石川隆士、佐藤昭雄組のアジア・タッグ王座にグレート小鹿、大熊元司組の元王者チームが挑戦。

1本目は20分34秒に両チームリングアウト、2本目は1分49秒、佐藤が大熊を腕ひしぎ逆十字固めでギブアップさせて石川、佐藤組が2-1で3度目の王座防衛に成功しました。全日本のリングで逆十字がフィニッシュとなるのは斬新な出来事です。

松根体制の全日本では古臭いタイプの極道コンビはアジア・タッグ戦線から外された感じはありました。

マッチメーカーとなった佐藤は阿修羅・原、マイティ井上の国際プロレスからの移籍組や越中詩郎、三沢光晴などノンキャリアの若手にもスポットを当てていきました。

日本プロレスからの古参の極道コンビやロッキー羽田は冷遇されていくようになっていきます。

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