時の扉を透りぬけわし掴みでとり出される記憶柱の刻みは上へいくほど狭くなる ブラウン管ラジカセレコード白黒テレビ真空管ステレオのうらの火星基地 二段ベッドのおねしょの疑惑きしむ縁側、おもいガラス戸砂利道を色づけていく雨 水は長い時をしみこませ匂
「あきちゃんね、」って、えくぼ「自分で"あきちゃん"って可笑しいよ」って言われて首をかしげるあきちゃん「僕って言うんだよ」って言う隣のお姉ちゃんその日からあきちゃんはあきちゃんじゃなくなってあきちゃんは僕になったえくぼはいつの間にか皺になり僕
何が違うのでしょう貴女のすべてが好きと答えて、 貴女の目に眉がかかり、まつ毛が羽ばたいて宝石が伝う頬にはさまれた鼻の下に 唇 好きを聞きとる耳は日差しに透け紅潮する頬はふっくらとして眼差しは目蓋にかくされ唇 向こうをむいて揺れる髪の匂いが脳の中