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2006年03月10日23:25

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●寄り道ついで (72)/■義母

■ラブレター

 ●きのう、結婚したころの甲子園口の思い出を書いたり、また
  足跡のあった「らーめんちゃんの歌」さんのページを訪れたり、
  「タバスコ」さん要約の山田太一小説「君を見上げて」を読んだり
  して、自分のことを思い出した。


 ●「らーめんちゃんの歌」さんは、なんでも「夜中に書いたラブレターを
  翌朝読み返す会」の会長らしい。


    夜中に、もんもんとして書いたラブレターは、
    翌朝読み返さないとね。

    だってそうでしょ。
    ぜひ読み返してみて下さい。

    絶対に、ひっちゃぶいて、捨てますって。 



 ●たしかに「らーめんちゃんの歌」さんの言うように、

    一人きりでね、コンつめて、想いを伝えようとして、
    それで言葉を選んで書いたラブレターって、自分の中の
    弱々しい部分がかなり出てくるよねえ。

    夜中だったら、その効果はもうテキメン。
    そんなもの他人に読ませた日にゃあ、そりゃもう引きますよ。




 ●そうなのだ。そう思いつつ、朝の光の中ではとても恥ずかしくて
  口にすらできないような<想い>を綿々と書いて、酔った勢いで
  私はポストに投げ込んだ。


  そんな手紙を何通、書いたことか。
  ときには、雑誌「思想の科学」に掲載された「茅辺かのう」という
  人の生活報告を書き写して、送ったりした。


  しかし、返事はこなかった。




 ●返事がこないのに、私は次々に書いた。自分の「ぐじゃぐじゃ」した
  弱さがいっぱい詰まった手紙を送った。



  そして、大学が休みに入り、宮崎に帰省して彼女と喫茶店で
  あった。手紙では饒舌に語っていても、会えば何も言えなかった。

  気まずい沈黙が続いた。




 ●でも、どうしたことか、それから5年後、私は彼女と結婚することに
  なったのだ。そして事実、結婚し、もう36年過ぎた。


  妻は、言う。

  「実はネ、あんたの手紙
   お母さんが楽しみにしていたの。

   ヒロヒコさんの手紙、次のはまだ来んと?って」



  中には、封も切らず、まったく読みもせず、義母に渡した手紙も
  あったとか。


  つまり、私は、せっせとお義母さんにラブレターを書いていたのだ。



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