■独語
●きのう、仕事がおわってから大阪に出た。
三宮で落ち合い、大阪駅近くのビルの最上階の中華料理店で
妻と長男と三人で夕食をとった。
窓からは高層ビルと街の明かりと
行きかう車が見える。
劇場では「オペラ座の怪人」をやっているのが
見えた。
ちょっと多すぎたかな、と思った料理も
最後、長男が片づけてくれた。
この日、彼の38歳の誕生日で、勝浦の山奥・色川での百姓塾を終え、
あさって、また福岡に帰り、仕事をはじめるという。
●地下鉄の心斎橋で降りて、次男の店に出向く。
大丸近くの飲食店街にある古びたビルの3階のバーである。
妻がメールを入れてあったので、
次男はこの時間にもう店に入っていた。
はじめて見る若い女の子のスタッフがいた。
先客の男女が「よろしく」と声をかけてきたので、
「父です、母です、こっちが兄」と挨拶したら、
「まじですか?」と、半信半疑のような様子をみせて
「そう言えば、似てる!」と、やや社交辞令的に
私と次男と長男と見比べて、あれこれ
目じりや鼻の所が似ている、などと言った。
●バーボンのオンザロックをダブルで3杯、飲んだ。
すでに生ビールをここに来る前に飲んでいたが、
バーボンは口当たりよく、やわらかく、うまかった。
シングルでもう一杯おかわりして、
心地よく酔って店を出た。
長男の歳に、私はこの須磨の地に引っ越してきた。
1983年、春のことである。
その前の年の暮、母は最後まで、「ヒロヒコは大丈夫だろうか」と
分譲のこの家を買ったことを心配した。
そして、この家に来ることなくその年の暮に亡くなった。
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