mixiユーザー(id:1362523)

2026年11月02日01:29

17 view

アンドリュー・ワイエス展

アンドリュー・ワイエス展は、「日曜美術館」とか「美の巨人たち」で取り上げられていて、興味をそそられました。以前美術全集で絵を見たことはあるので知っていましたけれど。

それであべのハルカス美術館へ見に行きました。
https://www.aham.jp/exhibition/future/wyeth/

最初に出てくる憂鬱そうな表情の自画像。そして「冬の野」、「マザー・アーチーの教会」、「ハリケーンの海」など陰鬱な押さえた色調の絵が続きます。画面いっぱいに枯れた枝が広がる「鷹の木」は水墨画に近いような凍り付いたような静謐さを感じました。
細長い小さめの「鐘つきロープ」は、どうしてその部分だけ切り取って描くんだろうと思うような構図です。

ワイエスの父親は挿絵画家で、子どもの時から父親に絵を習いました。調べたら、父親は「宝島」とか「ロビンソン・クルーソー」などの挿絵を描いて人気があったそうな。また、姉の夫はテンペラ画を得意とする画家で、彼からテンペラ画を習いました。

なので展示されている絵も水彩画とテンペラ画が多いです。

ワイエスはペンシルベニア州フィラデルフィアのチャッズフォードに生まれ、後にメイン州に別荘を持ち、主に夏にそこで過ごすようになります。その2か所以外出かけることも旅行することもなく、身近な題材を描き続けました。

その中で、メイン州の別荘の近くに住むオルソン家の兄アルヴァロと妹クリスティーナと出会います。ワイエスの代表作に数えられる「クリスティーナの世界」は今回は展示されていませんが、それとはまた違う「クリスティーナ・オルソン」という絵がメインビジュアルになっています。ドアべりに座るクリスティーナは、ドアの古びた木の描写、クリスティーナの風にそよぐ髪など茶系で統一された色彩ながらとてもリアルに感じます。
二人が住むオルソン・ハウスも外観や内部などいろいろな部分が絵に描かれています。年月を経た壁や窓の描写がたいへんすぐれていて「細部に神が宿る」とはこのことかと思います。また、アルヴァロの絵も描いています。

窓枠とかドアとか床とか、年月を経た木目の描写がすばらしくうまくてリアルだと思いましたが、漆喰の白壁も年月にはげたり汚れたりしている細かい描写もすばらしい。

テレビで紹介されていた「薄氷」は、テレビで見たらあまり氷らしい感じがしないけど実物を見たらもっとわかるかも…と思ったんですが、実物を見ても氷を透かして見た感じがあまりしませんでした。

アメリカでは戦後抽象画やポップ・アートの時代がやってきますが、ワイエスはそういった流行には全く関与せず、ひたすら自分の身の回りのものを描き続けました。そうしてやがて「アメリカの国民画家」となりました。ワイエスが描いたものは、ワイエスの身近な光景であると同時にアメリカ人にとって昔ながらの日常風景でもあったのです。
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年11月
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

最近の日記