ふじのくに『友達』サザエさん一家が闖入してきた

作:安部公房 演出:中島諄人 ＠有度 110分
加藤拓也演出版を観ているhttps://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980433291&owner_id=834490
相当な違いがある。加藤拓也演出版はシスカンパニー制作出てくる役者が揃ってる。各々見せ場が用意され、闖入者家族が個々の行動別々感が強い。男の部屋の床に扉が設置され其処から家族が闖入してくる形だったこの辺が意味不明アイデア倒れであった。本日中島諄人演出版は家族はサザエさんのように明るく一致団結感が強い。

男:大道無門優也…最初は追い出そうと必死に対応してきたが諦め、偶々から脱出しようとして檻に入れられ、逃げられず絶望して憤死という形を取る。白い箱に2m長白い角材数本入れて登場角材は間取り図の線として舞台に置かれて行く。男の部屋区切りになる。舞台に置かれた短い角材は一端を持ち上げて扉を表す。
父:阿部一徳…闖入家族の議長役で適宜、地の文を読み狂言廻し役も兼ねて。
母:安田茉耶…金を管理してるのは私。男の財布を渡しなさいと主張。
祖母:高橋等…男性が演じるので祖父の象徴も兼る。闖入者家族の権威を備える。
長男:三島景太…長髪黒スーツ眼鏡掏摸プロ、男の婚約者も掏摸(すろう)と努力。
次男:小菅紘史…禿げて臙脂色革ジャンパンク風二日酔野郎。加藤拓也版には居た三男は省略されている。

長女:たきいみき…女を主張、男の婚約者に対抗意識剥き出し、男と結婚し、男の財産を合法的に頂こうと考える。

次女:中川玲奈…食事を作る。男に対し同情的(此処は原作指定)

管理人/婚約者:後藤詩織…管理人「確かに男はこの部屋代を払ってますが、賃貸業では払ってる人と住む人が違うなんてザラにある事ですし…」
警官/元記者:武石守正…警官は「闖入だけでなんの被害も出てないなら警察は出る幕は無い」と帰る。

闖入者家族はサザエさん的戯画化されて、分かりやすく整理された演出。加藤拓也版では林遣都演長男がボクシング習ってる背景付加されて、此の中嶋諄人版の方から整理されていて、笑いもとれる。長男は掏摸軟弱野郎、次男は武闘派の構図で余計な三男は消されてる。長女と次女も対比的で分かりやすい。



定価\4200購価\2900評価\5200四列目中央ブロックやや上手寄りに座した。