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2024年03月11日00:02

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「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」

さて、東京最終日。
第2目的のパナソニック汐留美術館の「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」を見てきました。
もともとSNSでこの展覧会を知ったのですが、東京まで行けないな…と思いました。それが、剣幸さんのパーティーがあるというということで参加を決めて、日程を見たら…行けるではありませんか。ならば泊まって東京を満喫しよう、と思ったのでした。

前日に経路など確認しようとして美術館のサイトを見たら、予約制になっているではありませんか。あわてて予約に進むと、時間別の受付画面があり、午前は1パターンしか残り枠がない!即予約しました。
そして行ってみますと、平日にもかかわらず大変混雑していました。

ライトの原点である「プレーリー・スタイル」から、浮世絵収集、帝国ホテル、晩年の仕事など網羅していました。1912年に制作したガラス装飾がすでにアール・デコ風のデザインでした。
ライトと言えば帝国ホテル。写真のほか石膏模型がドカン!と置いてありました。ライトがデザインした食器なども展示していました。アール・デコ風デザイン…すてき。

また、ジョンソン・ワックス・ビルの室内の大きな写真がありまして、とてもモダンなオフィスフロアです。すっきりした曲線の柱の合間にモダンなデザインのデスクとチェアが並びます。こんなオフィスがあったら素敵だなーと思いますが、オフィスビルの内装にこのようなデザインを盛り込むことは、その後の建築ではあまり行われなかったようです。
グッゲンハイム美術館もライトですね。

美術館のあるフロアからは新橋停車場を上から眺めることができました。
新橋停車場についてはこちら。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971137178&owner_id=1362523

ミュージアムショップで「帝国ホテルと日本の近代」(永宮和:著、原書房)という本を買いました。
今までライトの帝国ホテルは50年ほどで建て替えされたのはなぜか、修復しながら使うことはできなかったのかと思っていました。しかしそれは無理だったことがわかりました。
まず東京の一等地に低層階で、広大な敷地に258室というのはあまりにも効率が悪く、航空機による大量移動の時代にはとても対応できない。そして実際に建物の劣化がはげしかったこと。この辺りは軟弱地盤で、周囲に高層ビルが次々と建って行くにつれて地下水のくみ上げによる地盤沈下が激しくなり、建物が傾いていきました。見ただけでもわかる歪み具合、ゴルフボールを置くと転がっていく状態。そして雨が降ると雨漏りがひどい。ライトは日本の湿潤な気候を考慮していなかったのか、庇の排水が悪く雨水を逃がしにくい。さらに、大量に使用した大谷石は排気ガスなどの汚れを吸い取りやすく外観もくすんできました。

また、明治村への移築も建て替え企画が進行している時にバタバタで決定したこと。解体しながら移築用の部材を選定する、という状態だったそうな。しかも大谷石は劣化が激しく、そのまま使えるものが少なくて新しい資材を調達しなければいけませんでした。またスクラッチタイルも当時の施工技術では移築に対応した解体ができず、新しい復元材料を多く使ったということです。

しかし、それでも全く失われてしまうよりは、明治村へ行けばライトの帝国ホテルの正面玄関から中へ入っていく…という体験ができるのは貴重なことです。

この日はこれだけ見て、東京見物は終了して帰途に着きました。
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