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2024年03月24日01:48

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「パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら」

「パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら」
中島たい子:著 幻冬舎文庫
https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344433595/

タイトルに釣られて買いました。パリとかフランスとかに弱い…。

著者は叔父さんがパリに住んでいて、フランス女性と結婚しました。夏のバカンスになると、叔父夫婦とその子供たちが日本へやってきます。著者の子供時代の夏休みはフランスからやってい来るいとこたちと過ごしたことでした。長いバカンスでずーっと居る「フランスの親戚」は精力的にバカンスを楽しみ、時にはにぎやかすぎて、家族もこの「親戚」たちをもてなすのに疲れてしまう…。ということで、著者はフランスと言えばこの騒々しい親戚の来訪を思い出すものですから、あこがれとかあったものじゃない。

それが、40を過ぎて、ひょんなことからこの叔父さんの家に居候をすることになりました。
その時に見た叔母の暮らしぶりを書いたのがこの本です。
叔母のロズリーヌがキッチンでパンを焼いています。生地をこねてパウンド型に流し込んで焼く。とても簡単に見えるその工程でできたパンは大きな四角い形で、パリっとしてとてもおいしかった。ロズリーヌはもうずっとパンを買いに行かずにこうして焼いているという。タイトルの「四角いバゲット」って何だろう?と思ったのですが、どうやらバゲットといっても普通にイメージする棒状のものではなく、レンガみたいな形で、でも気泡が大きくてパリパリした食感はやはりバゲット。

そのキッチンは、IKEAで買ってきた材料で自分好みにしつらえたもの。シンプルですが、とても居心地がよくて、ロズリーヌが気に入っているのがわかります。
そのキッチンで、シンプルなのに、こだわりがあって、おしゃれでおいしいものができる。
そこでわかったことは、新鮮な素材を使って、その素材の良さを生かした料理をすること。食材をどうやってベストの形で食べるか、が重要。

フランスの台所事情を書いた本に、以前読んだ「日曜日はプーレ・ロティ」というのがありましたが、それとはまた少し違う暮らしぶりを垣間見ることができました。

食べ物だけでなく、生活のいろいろの描写が面白いです。
「掃除をしすぎると怒ります」という不思議なタイトルの章。
洗濯ものをシワも伸ばさず干して、しわのついたまま着てしまう。なのになぜかおしゃれに見える。自分に似合うもの、自分に合う着こなしがちゃんとわかっているらしい。服を選ぶのも自分に合うものを徹底的にこだわって探す。
フランス人は毛玉が付いたままの服を平気で着ているという。なのに自分のこだわりのおしゃれがあって、素敵に見える。
粗大ゴミの日になるとはりきって使えそうなものを探しに行く。
モン=サン=ミシェルへ旅行に出かけた珍道中。そこで「フランス人に予定はない」ことを思い知る。

おもしろエピソードもありますが、結局はフランスって素敵、なんかおしゃれ、と思ってしまいます。
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