ストロング小林さん追悼(453)

79年新日本プロレス創立７周年記念「ビッグ・ファイト・シリーズ」第23戦は「免田事件」で全国的に名前が知られている熊本県球磨郡免田町(現在の同郡あさぎり町)勤労者体育センター(観衆1,800人満員発表)大会。

メインイベントは今シリーズよく組んでいる猪木＆藤波辰巳＆木戸修組の新日本プロレス旗揚げメンバートリオがタイガー・ジェット・シン＆マサ齋藤＆ジョニー・マンテル組と対戦。１本目は９分38秒、Ｊマンテルが木戸を片エビ固め、２本目は２分36秒、木戸がＪマンテルを回転エビ固め、決勝の３本目は３分29秒に日本組の反則勝ちに終わり、２−１で猪木＆藤波＆木戸組が辛勝しています。

セミファイナルは星野勘太郎と上田馬之助のシングルマッチ45分１本勝負で５分13秒、上田が片エビ固めでフォール勝ち。

セミ前で坂口征二はハン・リーを８分31秒、体固めで破り、ストロング小林はスタン・スタージャックを８分15秒、逆エビ固めでギブアップさせました。

グラン浜田＆永源遙組vsペーロ・アグアヨ＆ベビー・フェイス組は11分34秒、Ｂフェイスが永源を体固めで降しアグアヨ＆Ｂフェイス組に軍配が上がっています。長州力はサイレント・マクニーを３分29秒、体固めで破りました。

第24戦は３月22日、坂口の地元である久留米市福岡県立体育館(観衆4,300人満員発表)大会。メインイベントは猪木＆長州組とシン＆Ｊマンテル組が対戦。１本目は２分３秒、日本組の反則勝ち、２本目は３分15秒、Ｊマンテルが長州を体固め､決勝の３本目は２分17秒、猪木がＪマンテルを体固めで破り、反則含みながら猪木＆長州組が２−１で勝利を飾りました。

地元坂口はセミファイナルに登場、３月30日、秋田市立体育館でＮＷＦ北米ヘビー級王座を争う因縁の上田とのシングルマッチ45分１本勝負に臨みましたが８分13秒、上田に反則負けで逃げられ、一本勝ちは奪えず。

セミ前はアグアヨ＆Ｂフェイス組と浜田＆小林邦昭組が対戦したタッグマッチ30分１本勝負、小林邦は初のセミ前抜擢。16分34秒、Ｂフェイスが小林邦を体固めでフォールしています。

藤波vsＭ齋藤は12分35秒、両者リングアウトの引き分け､Ｓ小林は木戸を10分52秒、片エビ固めで破り、スタージャックは藤原喜明に８分31秒、体固めでフォール勝ちしました。

星野＆永源組とＨリー＆マクニー組は13分55秒、星野がマクニーを体固めで降しています。

第25戦、３月23日、広島県呉市体育館(テレビ生中継、観衆2,700人発表)大会、メインイベントは新日本プロレス本隊対外国人＆狼軍団頂上対決､猪木＆坂口＆藤波組vsシン＆上田＆Ｍ齋藤組の豪華６人タッグマッチ。ある意味新日本プロレスのお家芸と言っていい「軍団抗争」の原型のような組み合わせとなりました。

１本目は７分44秒、ブレーンバスターにきたシンを猪木が電光石火の逆さ押さえ込みでフォールしました。しかし、２本目、シンの凶器攻撃で猪木が額からおびただしい出血、２分16秒、コブラクローからシンが猪木を体固め、猪木は出血が酷く、退場。

決勝の３本目、猪木に代わって出てきた藤波にシンが、アルゼンチン・バックブリーカー、そこへ頭をタオルで止血した猪木が入ってきてアリキック、シンはたまらず上田にタッチ､入ってきた上田に猪木は咄嗟の回転エビ固め、２分32秒、カウント３が入り、猪木はシンのコブラクローに１本取られたものの、１人でシンと上田から２フォール奪っての勝利を飾っています。

この日から狼軍団の総帥ヒロ・マツダが登場、ストロング小林とセミファイナルのシングルマッチ45分１本勝負で対戦、７分50秒、マツダが一瞬のフライング・ボディシザースドロップ(空中胴絞め落とし)からＳ小林の両足を取ってエビ固めに捕らえてカウント３を奪っています。

セミ前はシリーズ最終戦、４月５日、東京体育館でＵＷＡ世界ジュニア・ライト・ヘビー級王座を賭けて対戦する浜田とＢフェイスが前哨戦としてシングルマッチで対戦、13分45秒、エビ固めでＢフェイスがフォール勝ち。タイトル戦本番に向け、浜田はピンチを迎えました。テレビ生中継は上記３試合を放送しています。

長州はスタージャックを６分50秒、サソリ固めで降し、星野＆木戸組vsＪマンテル＆アグアヨ組は12分24秒、木戸がマンテルを体固めで破り、星野＆木戸組の勝利。藤原はＨリーに11分40秒､体固めでフォール勝ち。

マクニーは小林邦とタッグを組み､永源＆ジョージ高野組と対戦。シンの子分であるマクニーが新日本プロレス本隊とタッグを組むのは突っ込みどころがアリアリですが……。９分46秒､永源がマクニーを体固めで破り、永源＆Ｇ高野組が勝ちました。

この日、試合前に狼軍団の総帥であるマツダから新日本プロレスに対して、「タイトルマッチは目標を一本に絞った方がいい」と意見が出て、３月30日､秋田市立体育館で坂口のＮＷＦ北米ヘビー級、４月５日､東京体育館でＭ齋藤と組んで坂口＆Ｓ小林組の北米タッグ王座に挑戦する上田を、北米ヘビー級王座挑戦一本とし、北米タッグ王座はマツダ＆Ｍ齋藤組に挑戦者チーム変更を申入れし、新日本プロレスがこれを了承。北米タッグ挑戦者チームは上田＆Ｍ齋藤組からマツダ＆Ｍ齋藤組に変更されています。