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2022年05月03日21:19

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【音楽】 アウローラ管弦楽団演奏会 ~くるみ割り人形

連休中とて遠出する予定はなく、せいぜい近所に出かけるくらいとなりそうだが、今日は都内に出かけた。錦糸町に演奏会を聴きに行ったのである。いつもご招待いただいているアウローラ管弦楽団の演奏会だ。ロシア音楽をメインに演奏しているアマチュア・オーケストラである。

今日のプログラムは次のとおり。

 ・アレンスキー:歌劇「ヴォルガ河畔の夢」序曲
 ・チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」

   指揮:湯川紘惠/合唱:柏少年少女合唱団
   会場:すみだトリフォニー (13:30 開演)

アレンスキーの作品が最初にあるが、メインはチャイコフスキーの「くるみ割り人形」である。組曲では聴く機会も何度かあったが、まとまって通して聴くことは少なかったと思う。ただし、完全に全曲ではなく、第1幕の第4曲と第5曲だけは省略するという。

オーケストラのメンバーがステージにそろって演奏がはじまる。女性奏者はいつも通りのカラフルな衣装だ。まずは、アレンスキーの序曲から始まるが、歌劇全体どころか、この序曲も初めて聴く。アレンスキーは「チャイコフスキーの亜流に過ぎず、小市民的で精気のないサロン音楽」などと言われていたりしたが、たしかにまるでチャイコフスキーな作品が多い(ような気がする)。でも、この序曲は雄大なヴォルガ河のような音楽ということである。聴いてみると、たしかにそんな感じもすることはするが、1回聴いただけでは印象にあまり残らないような曲であった。これは演奏のせいではなく、私の聴き方が悪いのだろう。

さて、続いてはメインの「くるみ割り人形」だ。このバレエはクリスマスの定番だが、今の季節に聴いても、もちろんいいではないか。チャイコフスキーの祖国で現在起きている状況は連日報道されているとおりだが、そんな時に、誰も傷つかない、楽しい夢のお話しの音楽を聴いて、平和への思いを強くするのも大いに意味のあることだ、というオーケストラの思いも込められているようだ。

演奏も明るく楽しく、このファンタジーを心ゆくまで楽しませてくれた。楽しい子供たちのパーティーがはじまり、プレゼントにもらったのが「くるみ割り人形」。そして、12時の鐘が鳴ると夢の世界へ。ねずみとの戦いから人形を助けたお礼にと、人形の変じた王子さまがお菓子の国に連れていってくれる。そんなストーリーを音楽を聴きながら追っていって、こちらも一緒に夢の世界へと入っていくのである。前半は第1幕までで、この最後の「雪のワルツ」では児童合唱団が、オーケストラの前に並び、澄んだ歌声を聴かせてくれた。この「雪のワルツ」が、第2幕の最後の方に出てくる「金平糖の女王の踊り」につながっているという。第1幕が終わり休憩となるが、指揮者が何度か出たり入ったりしつつも、児童合唱団はステージを去るタイミングが分からなかったようで、そんなところも微笑ましかった。

休憩のあとは第2幕で、お馴染みの各種の踊りの音楽も展開されて、聴いていても実に楽しい。「花のワルツ」でクライマックスを迎えると、金平糖と王子のパ・ド・ドゥに続くのだが、「金平糖の女王の踊り」のチェレスタで奏でるメロディーが、第1幕の「雪のワルツ」ともつながって、「永遠の母性」を表しているという。これは今まで知らなかった。指揮者も、「金平糖の女王の踊り」のところだけは指揮棒を置いて、両手だけで包み込むような指揮をしたのも印象的だった。

いよいよ終幕を迎え、夢の国から現実の世界へと戻るが、「素敵な夢を見せてくれてありがとう」と、くるみ割り人形を大切に抱きしめる少女。会場にいた私も、「素敵な音楽を聴かせてくれてありがとう」である。ただ、アレンスキーの序曲はいいから、省略した2曲も含めて全曲演奏してほしかったなと思う。


ところで、くるみ割り人形を実際に見た記憶がない。そもそも日本人の多くはくるみを割って食べる習慣がないからだろうが、どこかで売っていないものだろうか。
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