今日は、昨年12月18日にスウェーデンのストックホルムで行われた演奏会のアーカイブ配信を視聴した。12月4日に新宿で行われた「ステーンハンマル150年記念演奏会」に行った人は、この配信チケットも無償で入手できることもあり、これは聴かない訳にはいくまいと思っていたのだが、気が付けば配信期限ぎりぎりになっていて、先日慌ててバタバタしたまま聴いた。しかし、ありがたいことに配信期限が延長されたので、本日改めて、落ち着いてじっくりと聴くことにしたのである。
プログラムは次のとおりである。
・ステーンハンマル:主よ、教えたまえ
・ステーンハンマル:3つの無伴奏合唱曲
・クラヴェルダール:煌めきの川 –W.ステーンハンマルの草稿によるチェロソナタ–
・伝承バラード「騎士フィン・コンフーセンフェイ」
・ステーンハンマル:弦楽四重奏曲第5番「セレナード」
・ステーンハンマル:ピアノ協奏曲第2番 (2台ピアノ版)
・ステーンハンマル:冬至祭 (和田記代による室内楽版)
(アンコール) ステーンハンマル:スヴェーリエ (カンタータ「ひとつの民族」より)
合唱:ヴォーカルアンサンブル・ポリヒムニア
合唱指揮:ローヴェ・リュケリン・ベーリマン
ヴァイオリン:ヘンリク・ペッテション
ヴァイオリン:イルヴァ・マグヌソン
ヴィオラ:ローリアン・ダールクヴィスト
チェロ:クラース・ガッゲ
歌:セシリア・ステーンハンマル
ピアノ:和田記代
ピアノ:ミカエル・ホルムルンド
まずは美しい合唱曲に始まるが、これはステーンハンマルが17歳と19歳の時の作品だそうだ。そして、ステーンハンマルと現代作曲家の融合、ステーンハンマルの未完のチェロソナタをもとに、その続きを書いたクラヴェルダールの「煌めきの川」も、なかなか面白いものであった。
このあとは、ステーンハンマルのお孫さんのセシリア・ステーンハンマルさんがゲストとして登場。スウェーデン語は全く分からないので、彼女のトークの内容は分からないが、要するに、子供の頃に父親(すなわち、ヴィルヘルム・ステーンハンマルの子)から何度も聞いていた歌が「騎士フィン・コンフーセンフェイ」である、ということのようだ。その歌を披露して下さり、それに続けて、この曲を第2楽章のテーマに盛り込んだ弦楽四重奏曲第5番。ステーンハンマルの弦楽四重奏曲はどれも素敵な曲だと思っているが、第5番の魅力も再認識した。
圧巻はピアノ協奏曲第2番。この曲はオーケストラとピアノという本来の形では生でも聴いているが、今回はピアノ2台版だ。冒頭のピアノとオーケストラの掛け合いがピアノ同士の掛け合いになり、また違った雰囲気で楽しめる。オーケストラ版にも劣らない充実した名演だ。そういえば、初めてこの曲を生で聴いた時も、ピアノは和田記代さんだった。
「冬至祭」は、弦楽四重奏+2台ピアノへの編曲だが、原曲の雰囲気を壊さない編曲で、途中合唱もしっかりと入る。主演者総出演で、プログラムの最後を飾った。
アンコールは、スウェーデン第二国歌とも言われる「スヴェーリエ」を、無伴奏合唱で演奏。
自宅PCで聴いてもこれだけ楽しめたのだから、当日ストックホルムで生で聴いた人は、さぞかし素晴らしい時間を過ごしたことだろう。
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