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2021年03月13日18:41

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【音楽】 読売日本交響楽団演奏会@東京芸術劇場

今日はずっと雨の1日だったが、池袋にコンサートに出かけた。読売日本交響楽団の演奏会である。

プログラムは次のとおりである。

 ・コープランド:エル・サロン・メヒコ
 ・ガーシュイン:ピアノ協奏曲 ヘ調
 ・ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第9番
 ・レスピーギ:交響詩「ローマの松」

   指揮:山田和樹/ピアノ:清水和音
   会場:東京芸術劇場 (14:00 開演)

緊急事態宣言とやらが延期されてどうなるかと思ったが、予定通り行われることが分かり安心する。クラシック音楽の演奏会でクラスターは発生していない。対策をきちんと取れば安全が確保できることは実証済みだ。

さて、今日のプログラムはアメリカやラテン系の音楽で、クラシックの本道(?)とは違うところかもしれないが、こういうのこそ私は楽しいのである。どの曲もCDでは聴いたことはあるし、そんなにマイナーな曲というわけでもないと思うが、たぶん生で聴くのはどれも初めてだ。

まずはコープランドからスタートである。「エル・サロン・メヒコ」は、メキシコのナイトクラブを訪れたコープランドが、その印象を元に作った曲だが、実際なかなか猥雑な場所だったという。この曲もそんな感じの作品なのであるが、ヤマカズの指揮にかかると、メキシコっぽい雰囲気(といっても行ったことないが)を散りばめつつも、なんとなく上品で優雅なサロンという感じにも聞こえた。1曲目から楽しく盛り上がる演奏であった。

続いては、ピアニストの清水和音が登場しガーシュインである。ガーシュインといえば「ラプソディー・イン・ブルー」がすぐに浮かぶが、それから発展させた3楽章構成の「本格的な」ピアノ協奏曲がこの曲である。冒頭でティンパニが激しく連打されると、「ラプソディー・イン・ブルー」にも似た雰囲気の第1楽章が展開する。第1楽章はチャールストンのリズム、第2楽章はブルース、そして第3楽章は都会の喧騒を思わせる激しい音楽ということで、ああアメリカだなあという曲だと改めて感じたのである。西欧の伝統に則ったようなピアノ協奏曲とは異なる独特の音楽を、生でじっくりと味わうことが出来た。

休憩のあとはブラジルのヴィラ=ロボス。「ブラジル風バッハ」の最後を飾る第9番は、弦楽オーケストラのための曲だ。前半の賑やかなステージから急にコンパクトになった感じだが、弦楽だけの音楽というのは、ほぼ例外なく聴いていても落ち着く気がする。この曲も素敵で、第2楽章のフーガなど、どことなくバッハっぽく聞こえるところもあり、「バッハの音楽の普遍性は全世界の民族音楽の源である」というヴィラ=ロボスの言葉も、この第9番を聴いていると、なんとなく納得してしまう。意外と聴く機会が少ない曲だったが、じっくりと聴けてよかった。

最後はレスピーギの「ローマの松」だ。ローマの松を見たことがないので、つい日本の松をイメージしてしまうが、やはり少し違うのだろう。音楽から情景を想像するしかない。絢爛としかいいようがない冒頭部分を経て楽しく盛り上がる「ボルゲーゼ荘の松」から、「カタコンブ付近の松」に移ると雰囲気が変わり、ああこういう曲だったなと思い出したりする。「ジャニコロの松」の最後の方のナイチンゲールの鳴き声は鳥笛を使った生演奏で、なかなか効果的であった。そして、最後の「アッピア街道の松」でバンダのトランペットとトロンボーンがステージ上に加わり、華やかに終わるのである。

意外と生で聴く機会のなかったプログラムの演奏会、今日も十分に楽しめた。夕方には雨は上がるはずだったのに予報が外れたか、演奏会が終わってもまだ結構降っていた。芸術劇場は地下道で池袋駅につながっているので、こういう天気の時はありがたい。
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