mixiユーザー(id:12784286)

2020年11月29日18:17

90 view

【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「宇宙の始まりに何が起きたのか」 (杉山直著、講談社ブルーバックス)

宇宙の始まりに何が起きたのか、この答えは「宇宙マイクロ波背景放射」を捉えることによって分かる。1992年にCOBEがその宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎを捉えたことで、宇宙の始まりの姿が見えるようになったのである。この本は、定常宇宙論とビッグバン宇宙論の論争から、ビッグバン宇宙論が定説となり、さらにそのビッグバン宇宙論でも説明できなかった部分を解決したインフレーション理論など、最新の宇宙論までを分かりやすく書いたものである。まだ宇宙には謎が多い。ダークマターやダークエネルギーの正体はいまだ解き明かされていない。宇宙の謎は興味が尽きることはないのだ。


●「ベートーヴェンの愛弟子」 (かげはら史帆著、春秋社)

ベートーヴェンの2人の愛弟子、カール・ツェルニーとフェルディナント・リース。そのうちのリースに焦点を当てた伝記本である。リースはベートーヴェンの伝記作家として知られていて、ベートーヴェンに関する著作物の中に少しだけ登場する「脇役」としてわずかに認識されているくらいだが、実は優れたピアニストであり作曲家であった。フランス軍の侵攻から何度も逃れながら、ベートーヴェンのもとも離れてロンドンで活躍、類まれな才能により音楽家として大成功を収めた。そして、もともと宮廷音楽家の家に生まれたリースもまた、宮廷音楽から市民への音楽へと導いていった人なのである。この本は、リースについての、おそらく世界初の伝記である。改めてリースの作品を聴いてみると、その良さが分かるというものである。


●「タコの知性」 (池田護著、朝日新書)

タコはとりわけ日本人の食生活にはお馴染みだし、また漫画などでもユーモラスに描かれたりする。そのタコも実は「海底の賢者」といわれ、高度な知性を持っていると考えられている。それは、学習能力や他者識別能力、自己認識能力などを持っていると思われる行動を示すからであるが、そもそも脊椎動物などと身体の構造からして全く違う。タコは視覚だけでなく、むしろ足の触覚で「考えて」いるのかもしれないという。また、タコは基本的には群れない動物だが、社会性を見出せるような実験結果も出ているという。まだまだタコについては謎は多いが、興味は尽きないのである。


●「論証のルールブック [第5版]」 (アンソニー・ウェストン著/古草秀子訳、ちくま学芸文庫)

論文発表やディベート、ディスカッションなどはもちろん、論証を必要とする場面は多い。自分の考えを論理的に組み立て、徹底的に吟味し、相手に伝わるように明確に表現しなければならないが、それにはきちんとしたルールがあり、それに則って行う必要があるのだ。そのルールを分かりやすく書いた本である。今さらと思いがちだが、そうしたルールが分かっていない事例は多いのが実態。ここでも、意味不明、根拠不明、論理矛盾な文章はよく見かけるが...
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年11月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930