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2020年11月14日19:22

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【音楽】 東京交響楽団演奏会@ミューザ川崎 ~ベートーヴェンと矢代秋雄

今日の午後は、東京交響楽団の演奏会に行った。
プログラムは次のとおりである。

 ・ベートーヴェン:序曲「命名祝日」
 ・矢代秋雄:ピアノ協奏曲
 ・ベートーヴェン:交響曲第4番

   指揮:広上淳一/ピアノ:小菅優
   会場:ミューザ川崎 (14:00 開演)

現在のような状況では、何ヶ月も先の演奏会のプログラムは当てにならない。今日の演奏会も、ジョナサン・ノットの来日が出来なくなったため、指揮者が変更になり、プログラムもブルックナーの第6番からベートーヴェンの序曲と第4番に変更になった。でも、矢代秋雄のピアノ協奏曲はそのまま残り、ピアニストの小菅優も変更はない。すなわち、小菅優で矢代のピアノ協奏曲を聴きたいというのは満たされるので、予定通り行くことにした。今日は会場の入りも多かったが、ノットのブルックナー目当てでチケットを買った人も多いのだろう。

まずはベートーヴェンの序曲「命名祝日」から始まる。今年はベートーヴェン生誕250年であることも忘れてはいけない。この序曲も生で聴くのは初めてだ。ベートーヴェンの序曲はCDでは一通り聴いており、演奏会でもいくつか聴いているが、今日は一番地味(?)な「命名祝日」である。洗礼名の聖人の記念日である「命名祝日」。時の皇帝の命名祝日のための曲とのことである。どんな曲だったか忘れかけていたが、演奏が始まったら思い出した。軽やかで祝賀的な感じの曲で、演奏会の1曲目としてはいいのではないだろうか。

2曲目は矢代秋雄のピアノ協奏曲だ。前述のとおり、今日の目当てはこの曲だ。前に聴いたのは2017年1月で、その時のピアノもやはり小菅優、指揮者は秋山和慶だった。ピアノが奏でる冒頭の主題から印象的で、前回は繊細な入りのように感じたが、今日は最初から力強い感じで入ったように感じた。力強くも美しい音、小菅優らしい素晴らしい演奏だ。第2楽章はピアノがC(ハ音)だけを出し続けつつ展開するという不思議な感覚の曲だが、このシンプル過ぎる素材からなんともいえぬ響きが生まれるのだ。素晴らしい演奏で十分に堪能した。最近は、矢代秋雄のピアノ協奏曲も、演奏会のプログラムに普通に取り上げられるようになっているのもうれしい。

このあとは、アンコール演奏があった。2017年に矢代のピアノ協奏曲を聴いた時と同じ、メシアンの前奏曲集から「鳩」である。メシアンと矢代のつながりを意図したアンコール曲ということだろうか。

休憩のあとはベートーヴェンの第4番だ。実はこの曲も生で聴くのは初めてだ。ベートーヴェンの交響曲も何度も聴いているのもあれば、このように演奏会で聴くのが初めてというのもある。この曲は、シューマンが「巨人に挟まれたギリシャの可憐な乙女」と評したことは有名だ。第3番と第5番の間にあって、しかもやや小編成のオーケストラなので、そういうことになるのだろうが、やはりそこはベートーヴェン、「可憐な乙女」らしい部分もあるが、強弱の対比が際立っている曲だなと、今日の演奏を聴いて感じた。ベートーヴェンの交響曲の中では地味な方に入ると思う第4番だが、傑作であることは間違いない。第4番をようやく生で聴くことが出来たのも収穫である。あとは第2番を残すのみとなった。

今日は比較的暖かい日だった。天気もいいし、こんな日に素敵な演奏会で、楽しい午後のひとときであった。
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