今日は夜、池袋にコンサートに行った。NHK交響楽団の演奏会である。
今日のプログラムは次のとおりである。
・武満徹: デイ・シグナル
・武満徹: ガーデン・レイン
・武満徹: ナイト・シグナル
・ラーション: サクソフォーン協奏曲
・ベルワルド: 交響曲第4番「「ナイーヴ」
指揮:鈴木雅明/サクソフォーン:須川展也
会場:東京芸術劇場 (19:00 開演)
COVID-19の影響で、今年のN響の演奏会の予定も大幅に変更されたが、逆に何が出てくるか楽しみなところもある。今回のように、バッハのイメージの強い鈴木雅明氏が武満と北欧作曲家を振るというのも、こういう時期だからこその貴重な演奏会かもしれない。今日のプログラムも、いずれも生で聴くのは初めてだ。
週末のN響の演奏会だというのに、やや空席の目立つ会場ではあったが、まずは武満から始まる。ブラス・アンサンブルによる短い曲が3曲である。「デイ・シグナル」と「ナイト・シグナル」では、左右2群に分かれての配置であり、こういうことになっているとは、CDで聴いただけでは知らなかった。正直どれも似たような感じに聞こえる、というのはまだ武満苦手意識が払拭されていないからだろうが、天国的な緩やかな感じがして、心地よい気分であったことは間違いない。やはり、タケミツの響きである。
続いては、金管奏者が全て去り、今度は弦楽だけのオーケストラになる。ここにサクソフォーンの須川氏が加わり、本日の個人的な目当てのラーションである。ラーションの作品は、ラーション節というのか、わりと独特の雰囲気があるように感じているが、このサクソフォーン協奏曲も、なかなか素敵な曲である。須川さんのサクソフォーンの、これまた美しく、表情豊かなこと! 実に愉しい時間を過ごすことが出来た。
このあとは須川さんのソロによるアンコール演奏があった。これまた素敵な曲で、スコットランド民謡の「美しいドゥーン河のほとりにて」である。
今回は休憩なしで、このまま次のプログラムに移る。最後はベルワルドである。20世紀の作品のあとは、19世紀の作品でしめる。オーケストラもやっと勢揃いである。タイトルの「ナイーヴ」は天真爛漫なという意味である。ベルワルドは時代的にはロマン派ながら、作品は古典的雰囲気に近いといわれるが、厳粛とも気まぐれとも風変りとも違うこの第4番こそが、その集大成といった感じで、聴いていても実に心地よかった。
休憩なしの演奏会といいながらも充実したプログラムで、最後まで楽しめた演奏会であった。やはり演奏会は楽しい。最近は配信など新しい試みもされているが、私としては会場で直に聴くに限る!
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