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2020年09月06日16:51

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フランク永井、NHK紅白歌合戦出演の記録の現状

 フランク永井が、NHK紅白歌合戦に連続26回出演した記録の、現在の時点での様子が分かってきました。
 1957(S32)年第8回が最初の出演です。1982(S57)年第33回までの連続26回の出場記録です。
 NHKが正式に自前で記録を開始したのは、1972年第23回からで、それ以前の音声と映像記録はありませんでした。当時録音・録画するテープが高価だったといわれていますが、何よりアーカイブとして後世に残すことの意義を軽視していたのです。
 それに気づいてあわてて視聴者に呼びかけました。長く司会をした宮田輝アナウンサーが、自宅で私的に8ミリに録画していたのは有名です。その後徐々に、視聴者が保存していたものが、NHKに寄せられました。結果現在では、音声記録は初回から、映像記録は、1965年第16回からNHKに保管されています。
 フランク永井の出演映像は、2016年に「フランク永井シングル全集」が発売されました。その商品の「懐かしのフランク永井映像選集」に、NHKからの映像提供を受けて、8回分が発売されました。
 これ以外は、NHKのフランク永井を主に扱った特別番組で、いくつか紹介されています。BSが開局された際に、過去の番組の様子を再放送したことがあり、それを録画していた視聴者が、youtubeなどで紹介しています。
 ただ、youtubeでは著作権の関係から削除されているために、現在ではほとんど鑑賞することができません。

 この度、大変うれしいことに、熱心なフランク永井のファンの方から、残されていた貴重な音声の記録を聴かせていただかうことができました。下記の10本です。こころから感謝申し上げます。

 1959年 S34 第10回 俺は淋しいんだ
 1960年 S35 第11回 東京カチート
 1961年 S36 第12回 君恋し
 1962年 S37 第13回 霧子のタンゴ
 1963年 S38 第14回 逢いたくて*
 1964年 S39 第15回 大阪ぐらし
 1965年 S40 第16回 東京しぐれ
 1966年 S41 第17回 大阪ろまん
 1967年 S42 第18回 生命ある限り*
 1971年 S46 第22回 羽田発7時50分

 フランク永井が最初に出演したのは1957年第8回で「東京午前三時」を歌いました。この年は11月、つまり紅白の1月前に「有楽町で逢いましょう」をリリースして、名を全国に知られたときです。
 ただ残念なことに、翌年の第9回で「西銀座駅前」を歌ったものと2回分は、ラジオからの放送でしたが、音声の記録が手元には存在していません。

 1963年第14回からテレビ放送になります。フランク永井の歌唱映像は、1963年第14回「逢いたくて」が最初です。映像が残されていないのは、1963年第15回「大阪ぐらし」、1971年第22回「羽田発7時50分」です。この2本を除いて、最後の出演となった1982年第33回「有楽町で逢いましょう」までの、18本が保存されています。

 映像を通してみると、フランク永井の活躍した時代が一目瞭然でわかります。フランク永井の昭和30年代の映像は、映画に出演した場面などを除いて、ほとんど存在していないために、モノクロですが極めて貴重なものと言えます。若々しく、彼の隠れた魅力とも言える美しい高音が楽しめます。
 1968年第19回で「加茂川ブルース」を、歌っています。和服で登場し、当時人気の三浦布美子との共演などは、見ていて楽しいシーンです。また、1972年第23回では3回目の「君恋し」を歌っています。この回ではニニ・ロッソのトランペット演奏をともなって共演するということで話題になりました。

 今回初めて聴かせていただいた音声で、特に印象的なのでは、1964年第15回の「大阪ぐらし」です。
 まず歌いだし間もなくで歌詞を取り違えます。紅白歌合戦に出場することの緊張からなのでしょう。そして2番が歌われ、歌い終わるところでいきなり4番に突入してしまいます。
 バンドは恐らく慌てたことでしょう。しかしさすがそこはプロ集団で、歌に合わせて演奏を最後まで続けます。何があったのかは不明です。秒単位で進行が決められている実況の現場なので、ここで発生したおよそ1分近い時間の延長は、どこかにしわ寄せが発生します。
 その犠牲が、同じレコード会社に所属する後輩の、橋幸夫にいったようだと、歌唱時間を細かく追った方の声がありましたが、果たして実際にはどうであったのでしょう。

 余談ですが、1981年第32回ではアトラクションコーナーが設けられ、ここでデュエット・ソング「東京ナイトクラブ」が、若い男女出演者で歌われています。フランク永井と松尾和子の歌唱で、現在でも親しまれている大ヒットソングです。

 全体を通して、司会者からフランク永井の紹介をする際に、敬意の言葉が語られていることです。

「懐かしのフランク永井映像選集」で発売された紅白映像は下記のとおりです。

 1963年 S38 第14回 逢いたくて
 1967年 S42 第18回 生命ある限り*
 1968年 S43 第19回 加茂川ブルース
 1970年 S45 第21回 大阪流し
 1974年 S49 第25回 おまえに
 1976年 S51 第27回 東京午前三時
 1978年 S53 第29回 公園の手品師
 1980年 S55 第31回 恋はお洒落に

 NHK紅白歌合戦は後に番組枠を大幅に拡げて、懐かしのメロディー風なものから、現代の若者を中心とした後世に変わりました。簡単に再放送できなくなりました。フランク永井が活躍した時代のものはまだシンプルな構成です。何らかの機会に、ぜひとも当時の映像を再放送してほしいと願っています。
 1964(S39)年第15回「大阪ぐらし」と1971(S46)年第22回「羽田発7時50分」の映像が、まだ見ることができていませんが、ぜひとも見てみたいものです。
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