秋晴れはいずこ

　台風シーズンが過ぎて、どこまでも続くような青空を眺めることのできる十月半ばというのは、同じく四月半ばから後半にかけての数日と同じく、一年で最も過ごしやすい時期であるはずだ。ところが今年は、晴れの特異日近くに大型台風が各地に大きな被害をもたらし、それが過ぎたあとも秋雨前線が停滞してぐずついた天気が続いている。
　気温は一週間前とはうって変わって、平年並みに落ち着いてはいる。もっともそれは、風の冷たさというよりも、陽射しがないことからくるもので、日中も空に垂れこめた雲のせいで、室内にいると薄暗く感じてしまう。

　郷里では、この週末が最寄りの神社の例大祭、秋祭りである。例年であれば、この頃はよく晴れて、遠くまで祭囃子が聴こえてくる。ところが今年は、日曜は天気も回復するそうだけれど、土曜日は雨の予報だ。

　気象庁が発表する一か月予報によれば、全国的にこの先も雨の多い日が続くという。気温は高めで推移するようで、天高く馬肥ゆる秋というわけにはいかず、どんよりしたまま立冬を迎え、その後もしばらくは曇りや雨の天気が続くらしい。

　何となく控えめだったハロウィンも、次第に雰囲気が出始めているけれど、このイベントも晴れてナンボの行事である。濡れながら仮装も何もあったものではない。