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2019年07月07日09:34

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湘南モノレールのこと

 一昨日の夜、鉄道の前面展望を映す動画を見てしまった。こういう「ただ車窓が映っているだけ」というものに、私はなぜか惹きつけられる。以前も、ケーブルテレビで地元の鉄道やバス路線の車窓を延々と流すだけのチャンネルがあったのだけれど、家族が呆れる声をよそに、私はずっとこれを見ていた。

 そうした流れから、いま見ているのが湘南モノレールである。普通の鉄道はもちろん、一般のモノレールや新交通システムと異なるのは、車両の上にレールがある、いわゆる懸垂式だという点だ。要するにロープーウェイみたいに吊り下げられているのである。
 これによって、風景も足もとがよく見えるようになっている。それだけで浮遊感があるし、実際に湘南モノレールの路線自体に勾配があって、「湘南ジェットコースター」なんてあだ名されてもいる。大船から江の島をほぼ直線で結ぶため、その間にある丘やら谷やらを抜ける必要があるからだ。モノレールなのにトンネルが二か所もあったりする。世界的にみても懸垂式でトンネルをくぐるモノレールは珍しいそうだ。

 私は小6の頃、初めて鎌倉に行った。このときはバスのツアーに参加して、鎌倉宮や高徳院(大仏)をめぐった記憶がある。終点が片瀬江ノ島で、水族館を観覧して解散ということだったのだけれど、私は熱を出してダウンしてしまった。
 そのあと、たぶん江ノ電バスに乗って大船まで戻ったのだと思う。その道路の上にあったのが、モノレールの高架だった。ただ、モノレールが動いているところを見た記憶はない。

 それから上京して、横浜で暮らすようになってから、鎌倉や江の島にもたびたび行ったけれど、モノレールを利用したのはずいぶん後になってからのことだった。しかし乗ってみて思ったのは、鎌倉や湘南の風情を確かに味わえるということ。
 江ノ電も、鎌倉や藤沢の海沿いを楽しめて好きだけれど、この界隈は何も海ばかりではない。むしろ平地が少なく、丘や谷が入り組んだ地形をしている。江の島に乗り入れている江ノ電や小田急は、いずれも平坦なところを選んで走っているけれど、モノレールはそんな丘を突っ切っている。沿線にはタワーマンションなどはなく、住宅地と雑木林が隣り合う湘南の内陸の雰囲気がよく伝わる。
 いまでこそ、鎌倉の西部は閑静な住宅地になっているけれど、その多くは戦後に開発されたもので、昔はただ雑木林が広がる山谷だった。その名残を車窓から確認できる。
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