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2018年11月22日23:22

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市立図書館にて

 調べものをするため、市の図書館へ。一階と二階が蔵書、三階と四階は歴史資料館や記念館が併設されている。近年、利用者の減少に悩む公立図書館が多いなかで、ここは平日でもそれなりに人が入っていて、企画なども積極的に行っているようだ。私のように、本を購入する人にとっては新刊やベストセラーを借りるために利用することはないけれど、そのために足を運ぶ人も多いようで、十分に機能しているように感じた。

 ただ、目的の郷土史についての蔵書は、質量ともに少し物足りなさを感じた。図書館の役割については、人によって見方も捉え方も違うとは思うけれど、史料収集も重要である。その土地ごとの研究や調査結果などを蓄積していることこそ、地域の図書館として意義を見出すことができると思うからだ。

 県史、市史、合併した町村史や周辺の地域史などは一応、揃ってはいた。また、地元企業の社史も一部はあった。ただ、それ以上のものになると、書棚をにらめっこしてもなかなか見つからない。
 ただ、市制百年のときに調査した資料がファイリングされていて、本来ならばマイクロフィルムで閲覧しなければいけない戦前の記事などのコピーを読めたのはちょっとした収穫だった。ただ、鉄道カテゴリーの場合、ピックアップされているのは国鉄関係ばかりで、私鉄の記事が見当たらないなど、よく分からないところもあったけれど。

 こういう史料を眺めていると、あっという間に時間が経ってしまうわけで、本来の調べものはほとんど進まず、また機会をみて出向くことにした。図書館を出ると、すっかり日も暮れており、東の空からは月がのぼっていた。何でも今宵の月は、藤原道長が「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」と詠んだ月から、いまの暦換算でちょうど千年経ったものなのだそうな。雨上がりの今日は、風も冷たくて夜は特に寒いけれど、千年前、自らの栄華を歌に詠んだ道長も、そんななか月を見上げていたのだろうか。
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