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2018年09月17日20:08

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【音楽】 フィルハーモニア・エテルナ演奏会@すみだトリフォニー

今回の3連休は、先日の日記のとおり15日(土)は演奏会、16日(日)はのんびりと自宅で休養、そして今日はまた演奏会である。楽しい3連休となった。

また少し夏の暑さに戻りかけたかなという今日の午後は錦糸町に行った。「フィルハーモニア・エテルナ」の第24回定期演奏会である。東京のアマチュア・オーケストラだが、今回初めて聴きに行く。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・十束尚宏: ギルガメシュ叙事詩より
 ・M.ロージャ: ヴァイオリン協奏曲
 ・D.ショスタコーヴィチ: 交響曲第8番

   指揮:十束尚宏/ヴァイオリン:ヴィルフリート・和樹・ヘンデンボルク
   会場:すみだトリフォニー (13:30 開演)

今日の演奏会は全席指定である。前売り3000円、当日1000円というのは、「前もって買った方がいい席が取れるよ」ということなのだろう。今回は招待券をいただけることになったので、当日引き換えで、前から3列目のヴィオラの前の席となった。会場はほぼ満員に近い。

1曲目は十束尚宏の作品だ。今日の指揮者でもある十束氏の作品の自作自演だ。もちろん初めて聴く。人類最古の文学作品の一つといわれている「ギルガメシュ叙事詩」を題材にした作品で、英雄でもあり暴君でもあったといわれるギルガメシュを、16分ほどの曲で描いたもので、時に力強く時に美しく、分かりやすい音楽で、聴いていて楽しかった。

続いては、ヴァイオリニストのヴィルフリート・和樹・ヘンデンボルクが登場し、ミクローシュ・ロージャのヴァイオリン協奏曲である。ロージャのヴァイオリン協奏曲は、ハイフェッツのために書かれた曲で、そのハイフェッツの録音で聴いているだけだったが、演奏会では今日が日本初演だという。そんなに演奏されていないのかと思う。ロージャといえば映画音楽の作曲家というイメージなのだろうが、このような純音楽の名作もあるのである。

ヴァイオリンを引くヘンデンボルク氏はウィーンフィルの団員でもある。これはすごい演奏が期待出来ると思っていたが、予想をはるかに上回る、素晴らしいとしかいいようがない演奏であった。オーケストラの演奏も相当レベルが高く、ヘンデンボルク氏の演奏も、これ以上はないという演奏であった。この曲の良さも、こういう演奏で聴くとよく分かるのである。耳を捉える素敵なメロディー、技巧を要するパッセージ、これらが見事に融合して、最後まで心行くまで堪能できた。

このあとは、ヘンデンボルク氏のソロでのアンコール演奏があった。パガニーニの「ソロヴァイオリンのための二重奏」である。弓でメロディーを弾きながら、左手でピッチカートを同時に弾き、あたかも二重奏のように聞こえる曲だ。これは超が付く難曲と思うが、見事としか言いようがない演奏だ。さらにもう1曲。「今度は真面目にもう1曲」って、遊び半分で超々難曲をさらりと弾いていたのか...。 次のアンコール曲は曲名を失念したが、これも素晴らしい演奏であった。

休憩のあとは、ショスタコーヴィチの8番だ。この曲は第5楽章まである1時間を超える曲だが、演奏時間の約半分が第1楽章で、CDで聴いている時は、第1楽章だけで止めてしまうこともある。今日は最後まで持ち堪えることが出来るかなと、変な心配をしていた。

オーケストラのメンバーがステージに上がってくると、なんと先ほどロージャを弾いたヘンデンボルク氏がコンマスの席に座っている。ウィーンフィルの現役団員が混じったアマオケとはすごい。力強い低弦の序奏に始まり、ヴァイオリンが入ると、これが実に素敵なのである。なんだかウィーンフィルが1000円で聴けるような、すごく得したような気がしてしまう。先ほどの心配も全く杞憂で、長い第1楽章で退屈しないどころか、最後の最後まで素晴らしい演奏に浸ることが出来た。ショスタコーヴィチの8番って、こんなにすごい曲だったのかと認識を改めた次第である。これは素晴らしい演奏によるところが大きいだろう。というより、プロでもここまで出来るかというような、もはやアマチュアのレベルではない演奏であった。素晴らしすぎる!

演奏が終わってから若干の静寂のあと、割れんばかりの拍手となった。指揮者により各管楽器奏者を順番に立たせていくが、どの奏者も素晴らしかったので、盛大な拍手が途切れることがない。

「フィルハーモニア・エテルナ」は今回初めて聴いたアマオケだが、相当レベルが高いと感じた。こんな演奏を聴いてしまっては、これからも行きたくなってしまうではないか。

会場を出ると空が怪しく曇っていた。案の定、家に帰りつくのとほぼ同時に雨が激しく降ってきた。
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