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2018年09月15日20:53

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【音楽】 オーケストラ・ナデージダ演奏会@船堀

今日は雨で涼しい1日だった。そんな日には北欧やロシアの音楽をというわけで、午後はコンサートに行った。ほぼ毎回行っている、オーケストラ・ナデージダの演奏会である。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・カヤヌス: 狂詩曲第1番
 ・ヌールマン: 交響曲第3番
 ・ミャスコフスキー: 交響曲第1番

   指揮:珠川秀夫
   会場:タワーホール船堀 (13:30 開演)

小雨の降る中、船堀駅からタワーホールに向かう。最近少し心配なのが、このオーケストラの演奏会は、あまり客の入りが多くないことだ。「知られざる名曲」にスポットをあてるという素晴らしいオーケストラだが、一般受けするプログラムではない。その上、今日は雨で、指揮者も健康上の理由で今回は出演できず、初めての指揮者である。そのせいかどうか、ガラガラとは言わないまでも、空席が目立つ会場だった。しかし、私のような、このオーケストラの熱心なファンもいるのだ。

前半は北欧音楽である。まずは、フィンランドのロベルト・カヤヌスの作品だが、実は全く初めて聴く曲である。このように初めて聴く作品に出会える楽しみもある。シベリウスとも関係の深い作曲家・指揮者であるという。演奏が始まり、聴いてみるととても素敵な曲だ。初めて聴く気がしない、心地よい満足感は何だろう。どこかで聴いたことがあるのか。思い出せない。最後の方は陽気に盛り上がって、まずは好調な滑り出しである。

続いては、スウェーデンのルードヴィグ・ヌールマン(ノールマン)の第3番だ。この曲をCDで聴いた時、第1楽章の最初がモーツァルトみたいだし、第2楽章のはじめはブラームスのようだし、第4楽章のはじめはシューマンみたいだと思ったが、プログラムの解説にもそのようなことが書いてあり、やはりそうかと思ってしまう。北欧独特の雰囲気というよりは、どことなく親しみやすい雰囲気に感じたのもそのせいだろうか。

初めて生で聴いてみると、そういう「どこかで聴いたような親しみやすさ」だけではなく、やはり素敵な曲なのだと思った。第3楽章は一度聴いて耳に残るメロディーで、この第3楽章が好きなのだが、演奏は最初の管楽器がちょっと乱れてしまったけど、全体としてはいい感じであった。代役の指揮者ながら、このオーケストラの味わいは損なわれていなかったと思う。そうならないように無難に振っていたようでもある、もともとヌールマンの交響曲は、どことなく捉えどころがつかみにくいのだ。でも、演奏はよかったと思う。

休憩のあとは、本日のメインであるニコライ・ミャスコフスキーだ。ミャスコフスキーの交響曲は、このオーケストラでは今までに第5番と第25番を演奏しており、いずれも聴いているが、そのうち全27曲を演奏してくれるのではないかと期待している。今日の第1番は、ちらしには「根暗な作曲家と言われているが、しかしこれは若々しく溌剌としてカッコいい」とあったが、あれ?そうかなあ?と思った。あまり溌剌とした感じではないような気がする。しかし、ちらしの文言には続きがあり、「彼の全27曲の中で最も明快な根暗といえる傑作だ!」と書かれている。「最も明快な根暗」、これである!

ミャスコフスキーの交響曲は、茫洋とした感じで、捉えどころがつかみにくい点では前述のヌールマン以上だが、その茫洋とした雰囲気こそがミャスコフスキーの交響曲の魅力なのである。第1番とて例外ではない。第2楽章など、まさに雄大なロシアの大地を思わせ、プログラムの解説にもあるように「ミャスコフスキーの交響曲の醍醐味は緩徐楽章にある」ということを感じさせてくれる演奏であった。この曲の演奏も心地よく聴くことが出来た。

オーケストラ・ナデージダは、演奏機会の少ない作品を取り上げ、演奏レベルも高い。ただ、前述のとおり、ここのところ客の入りが少な目なのが気になるところだ。なお、今日も会場は船堀であったが、今回は「江戸川老人」に邪魔されることなく、良い演奏を楽しむことが出来た。

ちなみに、今日演奏されたカヤヌスの狂詩曲もヌールマンの交響曲も1881年の作品で、その1881年にミャスコフスキーが生まれている、というつながりがある。

演奏が終わって会場を出ると、雨は上がっていた。
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