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2018年09月09日20:20

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【音楽】 東京交響楽団演奏会 〜ストラヴィンスキー三大バレエ

9月になってもまだ暑い日が続く。しかし、今日は風があるし、先月までの酷暑の日々に比べるとかなり過ごしやすくなった。そんな休日は「熱い音楽」を聴こうと、川崎に行った。東京交響楽団の演奏会である。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ストラヴィンスキー: 組曲「火の鳥」 (1945年版)
 ・ストラヴィンスキー: ペトルーシュカ (1947年版)
 ・ストラヴィンスキー: 春の祭典

   指揮:飯森範親/ピアノ:高橋優介
   会場:ミューザ川崎シンフォニーホール (14:00 開演)

ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽の一挙演奏である。このプログラムでは会場の入りはどうかなと思っていたが、ほぼ満席であった。ストラヴィンスキーの音楽も人気があるのだな。

最初は「火の鳥」である。1910年に初演されたバレエ音楽を組曲形式にしたものだが、それがいくつかの版があり、今回演奏されるのは1945年版である。以前は「火の鳥」は、ストラヴィンスキーの三大バレエの中では、個人的にはいまひとつだったのだが、前に生演奏で聴いて、ファンタジー豊かな音楽だと気付いたという経緯がある。その時はアマオケの演奏で、1919年版だった。1919年版は7曲からなる組曲だが、今日はそれに「パントマイム」や「パ・ド・ドゥ」などが加わった10曲から構成され、全曲切れ目なく演奏される。やはり、プロのオーケストラはすごいなという素晴らしい演奏であったが、「これは!」と感動したのは前に聴いたアマオケの演奏の方である。正直少し退屈してしまったところもあるが、いい演奏だったことは確かだと思う。

続いて、「ペトルーシュカ」である。ピアニストの高橋優介さんが加わるが、プログラムにも名前が書いてあるし、協奏曲のように指揮者とともに登場するのかと思ったら、オーケストラのメンバーの入れ換えに紛れていつの間にかピアノの前に座っていた。1911年版との違いは、4管編成が3管編成になり、ピアノが活躍する場面が増えたということらしい。これは素晴らしい演奏だった。人形劇の主役「ペトルーシュカ」をめぐる幻想的な物語を描いたバレエ音楽を、実に色彩豊かに奏でていた。ピアノは思ったほど目立たず、むしろいろいろな管楽器のソロが印象的であった。フルートなど大活躍で、これは最後まで楽しめた。退屈する暇などない。演奏終了後にピアニストの高橋さんもステージ中央に呼ばれ挨拶したが、そのあと各管楽器奏者を立たせた時の、フルート奏者の甲藤さんへの拍手が一番大きかった。

休憩のあとは、「春の祭典」である。これも素晴らしい演奏であった。あまり美しくきれいにまとまり過ぎると、つまらない音楽になってしまうが、しかし雑な演奏になっては音楽自体が滅茶苦茶になってしまうという、実に難しい音楽だと素人には思うが、静かに鳴るとことから、大地を揺るがすような大音響まで、実にダイナミックで、これも退屈する暇などない。太鼓も決して無駄に強打するのではなく、要所をビシッと決めている感じで好ましい。この曲の初演時には強烈なリズムと不協和音が聴衆の反感を買い、会場は大混乱になったというが、今はこうやって楽しく聴くことが出来るのだ。血が滾るような野趣あふれる音楽。素晴らしい演奏であった。演奏終了後にやはり各奏者を立たせたが、ファゴット奏者の時は、指揮者が歩み寄って握手していた。

気になったのは、隣りの席の高齢の方が、ほぼ全編を通してお休みになっていたことだ。「火の鳥」ならともかく、「春の祭典」で眠れるとは、なかなかすごい(?)人である。(この曲に興味がなくても、この大音響と強烈なリズムでは眠れないと思うが。)

今日も楽しい演奏会であった。
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