全日本プロレス85年「ワールド・チャンピオン・カーニバル」は10月4日、後楽園ホールで開幕。全日本はこの年、春のチャンピオン・カーニバルは行っていませんが、秋にワールドの冠をつけて開催しています。
新日本プロレスが「闘魂シリーズ」を開催しなかったのと同様、全日本も72年10月の旗揚げ以来継続されて来た「ジャイアント・シリーズ」開催がこの年で連続記録ストップ。
シリーズ名に違わぬ豪華外国人メンバーが参戦、全日本はゴールデンタイム復帰が決まり、勢いが増していきました。
ドリー・ファンク・ジュニア、テリー・ゴディ、チャボ・ゲレロ、アート・クルーズがシリーズ全戦参加。先シリーズにヒールターンしたザ・グレート・カブキは外国人側からの出場。
前半戦特別参加がビル・ロビンソン、ミル・マスカラス。後半戦特別参加がNWA世界ヘビー級王者リック・フレアー、AWA世界ヘビー級王者リック・マーテル、アニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズ、テリー・ファンクが後半戦に特別参加。
長州以下ジャパンプロレス勢が参戦しており、選手の数が多い為、人数的には以前よりは多くないですが、量より質のメンバーが参戦。
特筆すべきはNWA世界ヘビー級王者フレアーとAWA世界ヘビー級王者マーテルの同時参戦。
ビンス・マクマホンの全米マット界制圧により危機に晒されたNWAとAWAが手を結んで迎撃に向かっていったのは以前にも書いたことがありますが、その橋渡し役を果たしたのが馬場であり、旗揚げ前夜祭記念日、10月21日の両国国技館のゴールデンタイム復帰記念興行ではアメリカのプロモーターが誰も手掛けたことのないスーパーマッチ、フレアーvsマーテルのNWA、AWAダブルタイトルマッチが実現することになりました。
開幕戦の後楽園ホール(テレビ収録、観衆2,800人満員発表)はジャパンプロレスへの売り興行。メインでは鶴田、天龍組がゴディ、ロビンソン組に反則勝ち。
ロビンソンはこのシリーズ、口ヒゲを蓄えて若干のヒールモードになっていました。
セミファイナルは長州と、失踪から復帰後、「ヒットマン」としてシングルマッチで全日本、ジャパンの中堅どころを相手に短時間で連勝を続ける阿修羅・原のシングル戦。
試合は3分34秒、国際血盟軍のリーダー、ラッシャー木村が乱入して原に加勢し、長州の反則勝ち。孤高のヒットマンは国際血盟軍と共闘していくことになります。
10月7日、江南市民体育館のセミ、鶴田、天龍、石川敬士組vs長州、谷津嘉章、アニマル浜口組の一戦で鶴田の強烈なブレーンバスターの前に浜口が首を痛めつけられ、首が詰まったようになり失神、9分38秒、KO負けとなりました。
これにより、10月14日、熊本市体育館で予定されていた浜口、寺西勇組vs石川、渕正信組のアジア・タッグ選手権試合は、ジャパンプロレスが寺西のパートナーに保永昇男を指名。寺西、保永組が闘わずして王者チームとなり、石川、渕組と初防衛戦。
16分25秒、寺西が逆さ押さえ込みで渕を破り初防衛に成功しています。
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