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2018年06月01日23:26

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【音楽】 二十五絃箏作品演奏会 @めぐろパーシモン

6月の始まり。仕事のあとは素敵な演奏会だ。早々に会社を出て都立大学駅に向かった。今日の演奏会は、二十五絃箏作品を堪能するのである。

・伊福部昭: 舞踊音楽「プロメテの火」より 第三幕「火の歓喜」
・伊福部昭: 琵琶行−白居易ノ興ニ效フ−
・伊福部昭: シンフォニア・タプカーラ

   二十五絃箏: 佐藤亜美/日原暢子/吉葉景子/金子展寛
   会場: めぐろパーシモンホール (19:00 開演)


今日は、箏の演奏会である。伊福部昭には箏の作品もオリジナル、編曲含めて何曲かあり、CDでは聴いているが、生でも聴いてみたいと思っていた。この演奏会の情報を得て、聴きにいくことにしたのだ。

伊福部昭の作品の演奏会にはよく行っているが、今日はいつもと客層が違うようである。やはり箏の演奏会ということだからか、和服の客も何人かいた。今日の演奏会で演奏される3曲のうち、「琵琶行」はもともと箏独奏の曲だが、あとの2曲はオーケストラ作品を箏四重奏に編曲したものである。

演奏するのは4plusのメンバーだが、当初予定していた木村麻耶さんが体調不良のため欠演となってしまったため、金子展寛さんに代役を依頼したとのこと。唯一の男性であり、普段の4plusのメンバーとは違う人のため、どうなのかなと思ったが、伊福部作品を何度も共演している人とのことで、それなら大丈夫だろう。

最初は「火の歓喜」である。箏奏者4人が登場する。白いシャツに黒いズボンである。和楽器は和服で弾くという先入観は持たない方がいい。佐藤さんが一、吉葉さんが二、日原さんが三、金子さんが低音である。この曲は管弦楽ではCDでも生でも聴いているが、箏の四重奏で初めて聴いて、実に素晴らしいと思った。箏だけでこんなにもシンフォニックな響きが出るのかと、感動してしまった。「二十五絃箏」というのは、箏の演奏の可能性を拡げるために野坂操壽さんが開発した楽器で、その楽器が生まれたことで、伊福部昭さんはもちろん、多くの日本人作曲家が箏の作品を新たに生み出すことになった。4plusのような若い世代の演奏家グループも出来て、「二十五絃箏は次世代に繋ぐべき楽器」という信念のもと、精力的な演奏活動を行っている。こういう素晴らしい演奏を聴くと、それも納得できる。

2曲目は佐藤さんの独奏による「琵琶行」だ。ステージ上には箏が1面だけ残された。そのまま使わない3面は置いておくのかと思ったら、そんなことはしないのである。「火の歓喜」とは雰囲気が変わって、しっとりと日本情緒な箏の曲。この曲は和服で弾いた方が似合いそうだなと思いつつ、CDでしか聴いたことのなかった曲を、生でじっくりと聴くことが出来て、実に良い心持ちであった。

休憩のあと客席に戻ると、なんとステージ上に箏が8面もある。どう使うのだろう。「シンフォニア・タプカーラ」の箏四重奏版も初めて聴くが、演奏がはじまって聴いていると、二十五絃箏ってこんなに豊かな表情が出せるのかと感動してしまった。シンフォニーに聞こえるのである。この曲は日原さんが一、金子さんが二、吉葉さんが三、佐藤さんが低音となっている。第1楽章が終わると、後ろに用意してあった、第1楽章では使わなかった4面を使って演奏する。そういうことか。第2楽章用に調絃した箏を用意しておいたのだ。さて、一気に第3楽章に突入かと思ったら、ここで間があいた。第3楽章で使う4面はまた別の組み合わせで、それに並べ替えたのである。この曲の第2楽章と第3楽章はあまり間をあけずに演奏してほしいのだが、そこは仕方ない。何度も聴いている「タプカーラ」だが、箏四重奏で聴いたらまた新鮮であり、別の魅力が発見できたような気がする。

西洋の楽器による演奏会もいいが、和楽器の演奏会も素敵である。つい先日も箏の生演奏を聴く機会があったが、これからも時々聴いてみようと思う。

さて、明日は久しぶりの休日の土曜日だし、のんびりと過ごそう。
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