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2018年03月06日09:10

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啓蟄から二十四節気のこと

 今日は啓蟄。冬ごもりしていた虫たちが、はい出てくる頃といわれている。昨日までの暖かさで、すでに活動をはじめた虫たちもいるようだけれど、今日は少しひんやり。三寒四温とはよくいったもので、暖かくなったかと思うと寒さがぶり返す、そんな日が繰り返される。

 この啓蟄というのは、二十四節気のひとつ。旧暦は季節とのずれが生じやすいため、春夏秋冬それぞれをさらに六つに等分し、季節の変化を分かりやすくしている。もともとは古代中国で考案されたものであるから、日本の気候と必ずしも合っているわけではない。というか、二十四節気にぴったり合う地域って、中国のどのあたりなのだろうか。春秋・戦国時代に考案されたようだから、王朝や諸侯が栄えた黄河流域、南岸付近だとは思われるけれども。

 そういうわけだから、啓蟄といって虫たちが一斉に冬眠から目覚めたりはしない。暖かい日が増えたといっても、山沿いや北日本では荒れた天気になることも多いし、日本も地域によって気候は大きく違っているからだ。二十四節気では11月末からは小雪、12月上旬からは大雪とされているけれど、北国でなければこの頃に雪が降ることはめったにない。

 ただ二十四節気は、太陽の高度(黄経)を基準にしているので、冬至や夏至からどれくらい経ったのかが分かりやすい。冬至は一年で最も昼の短い日とされ、12月末、クリスマス前あたり。夏至は逆に一年で最も昼の時間が長く、6月末である。冬至と夏至の中間が、それぞれ春分、秋分。昼と夜の時間が同じ日とされる。
 そして、冬至から春分のちょうど中間が、立春。節分の翌日で、暦の上では春のはじまりとされる。同じく、春分から夏至の中間が立夏、夏至から秋分の中間が立秋、秋分から冬至の中間が立冬。期間でいうと、冬至から立春まで、立春から春分まではそれぞれ一か月半くらい。

 そして春の前半(立春→春分)はさらに三分割される。立春の次が雨水。雪が雨に変わる頃とされる。これが2月後半で、ちょうど大学入試のピーク。そして今日からが啓蟄、それから約半月で春分となる。
 春分、秋分は仏教行事でいうところのお彼岸の中日で、「暑さ、寒さも彼岸まで」なんて言われている。最近は、春分が過ぎても寒く、秋分が過ぎてもまだ残暑が厳しいなんてこともあるけれど、確かにしばらくすれば気候も安定し、過ごしやすくなる。

 だから啓蟄といっても、まだ寒い日も多い。奈良の古刹では、3月前半に修二会という仏教行事が行われている。このなかに、「お水取り」というものがあって、これが12日頃。「お水取りの頃は寒さがぶり返す」という風に言われる。もっとも、こういう言い回しが通じるのは、西日本の、それもお年寄りくらいなもので、だいたいはきょとんとされてしまう。
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