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2018年02月20日21:17

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「仁和寺と御室派のみほとけ」展

 上野の東京国立博物館で開催している「仁和寺と御室派のみほとけ」展に行く。仁和寺とは、京都の北西に位置する真言宗の古刹であり、明治になるまで天皇の師弟が数多く門跡を務め、格式も高い。御室派とは、その仁和寺を総本山とした一派で、大阪・奥河内の金剛寺、広島・宮島の大聖院など、大寺院も擁する。空海ゆかりの四国の真言寺院も御室派は少なくない。香川の屋島寺、徳島の雲辺寺など、八十八か所にも御室派に属する寺院がある。

 休日はさすがに混み合うけれど、平日ならば楽に観覧できると思って出かけたところ、入り口は長蛇の列。40分待ちの札も出ていた。上野はパンダで盛り上がっているけれど、この特別展も負けていない。

 館内は、宇多法皇をはじめとする歴代門跡の宸筆、天皇の宸翰(天皇直筆の文書)、弘法大師(空海)の自筆など、国宝、重要文化財のほか、仁和寺や御室派の秘仏や仏画、曼荼羅なども展示されていた。仁和寺の歴史と規模があったからこそ、こうした規模での展示も可能だったのだろう。過去にも同様の特別展を、国立博物館で観てきたけれど、今回も圧巻された。

 基本的に、館内では写真撮影などは禁止されていたけれど、一般公開のなされていない観音堂の秘仏を展示したスペースは、特別に撮影が許可されていた。並ぶ仏像たちがモデルの被写体のように、次々とスマホやデジカメに収められていた。

 こうした展示物からうかがわれるのは、病気や身の不幸、世の乱れに対する、仏の慈悲を求める人びとの姿であろう。貴重な文書からも、また展示されている仏像からも、書き手、作り手たちのそうした思いが感じられた。
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