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2017年09月23日21:28

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おはぎとお彼岸

 昨日は、夕方に土砂降りの雨に降られて、傘のない私は文字通り濡れネズミのようになって帰ってきた。夏の夕立や、いわゆるゲリラ豪雨と違って、雨の勢いがずっと変わらなかった。日中は少し蒸し暑かったけれど、雨が降りだしてからは気温も落ち着いて、本格的な秋が近いことを実感した。

 今日はお彼岸の中日。昼と夜の時間が逆転する、そんな一日である。和菓子屋さんでは、おはぎが店頭に並んでいた。
 お彼岸は、仏教寺院などでも法話を行ったりする。これは、春分、秋分の日の太陽が、ちょうど東から上り、西に沈むことから、極楽があるとされる西方浄土に手を合わせるようになったから、という説明がよくなされる。そして、この時期にお墓参りやお仏壇にお供えをするという人も多い。その代表的なものがおはぎだ。
 いまでは、甘い和菓子という位置づけだけれど、少し前まで砂糖は貴重品だったから、おはぎは基本的にもち米と小豆だけで作っていた。小豆もほのかに甘みがあるけれど、現在よりはずっと甘みの少ない食べものだったと考えられる。
 そんなおはぎがなぜ、お供え物になったり、この時期に食べられたりするのか。これも、使っている小豆に邪気を祓う効果があると考えられていたからだという。あんこに羊かん、お汁粉など、和菓子にとっては欠かせない食材であるほか、赤飯など、おめでたい席にも用いられる。

 いまでこそ、おはぎは和菓子屋さんで買うものという認識だけれど、かつては各家庭でそれぞれ作られていた。もち米を炊き、小豆を煮てあんこにする。作り方はシンプルだけれど、一度にたくさん食べる人もいないので、やはり専門店で少量を買うことになりがちだ。
 子どもの頃、おはぎは身近な食べ物だった。我が家でも作ることは稀だったけれど、よく買ってあった。普通にあんこを丸めたもの、きな粉をまぶしてあるもの、青のりがかかったものの三色がスタンダードだった。

 秋は和菓子の季節でもある。この時期、おはぎと並んで主役を張るのが、お月見用の団子である。秋のお月見、いわゆる中秋は、旧暦の八月十五日であるため、その年によって日にちがズレる。基本的には九月十五日から十月十五日の間の満月の夜がそれで、2017年は10月4日がその日に当たる。お彼岸が終わると、和菓子屋さんもそちらにシフトしていくのだろう。
 もっとも、秋は和菓子だけでなく、洋菓子も勢いづいてきている。十月末日に向けたハロウィン商戦はすでにはじまっている。
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