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2016年10月09日20:38

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【音楽】 北欧クラシック〜昼下がりのサロンコンサート

昨晩は強風が吹き荒れ、午前中は激しい雨と、変な天気だったが、今日の昼前には雨も上がった。

今日は府中に音楽を聴きに行った。「北欧クラシック〜昼下がりのサロンコンサート」と題する、ステーンハンマル友の会のメンバー3人による演奏会だ。友の会による「北欧の風音楽祭」が中断になって2年、主宰者の和田さんもスウェーデンに行ってしまったが、日本に残って活躍しているメンバーでやろうと企画したのが今日のコンサートである。久しぶりに、「ステーンハンマル友の会」の演奏が聴けるので、楽しみにしていた。

プログラムは次のとおりである。

 ・W.A.モーツァルト/E.グリーグ:ピアノソナタ第16番 (2台ピアノ版)
 ・E.グリーグ:抒情小曲集より
        アリエッタ、子守歌、蝶々、春に寄す、想い出のページ、ノルウェーの農民行進曲、
        フランス風セレナーデ、トロルドハウゲンの婚礼の日、ゆりかご、余韻
 ・E.シェーグレン:エロティコンより 第2曲/第4曲
 ・W.ステーンハンマル:ヴァイオリンソナタ

     鈴木千保(ヴァイオリン)、矢島愛子(ピアノ)、北田法子(ピアノ)
     会場:ミュージックサロン・サングレース東府中 (14:00開演)

30〜40人ほどで満席のサロンコンサートで、一般のクラシック音楽ファンがふらりと迷い込むことはおそらく少なく、「ステーンハンマル友の会」に馴染みの人ばかりであろう。演奏者と客席は近く、間近で表情を感じ取ることが出来る演奏会だ。

1曲目は、北田さんと矢島さんによるモーツァルトのピアノソナタ第16番(旧第15番)だ。K.545と聞けばすぐにピンとくるあの有名なソナタだが、それをグリーグが2台ピアノ版に編曲した曲である。第1ピアノはモーツァルトの作品を原曲そのままで弾き、これに第2ピアノが伴奏を加えるというような曲である。北田さんのモーツァルト(第1ピアノ)と矢島さんのグリーグ(第2ピアノ)の合奏だ。モーツァルトの原曲は損なわずにグリーグが「合いの手」を入れているような趣で、もちろんこの形で聴くのは初めてだが、よく知っていて今さらな曲だと思っていたら、グリーグの書いた伴奏を加えることで新鮮に聞こえて、面白かった。

次は矢島さんによる、グリーグの「抒情小曲集」からの10曲だ。抒情小曲集は一通り聴いているはずだが、いまだに標題と曲がなかなか一致しないという体たらくである。聴けばどれもグリーグの「抒情小曲集」だと分かることは分かるのだが...。「抒情小曲集」はグリーグが生涯にわたり作り続けた、日記のような作品であり、どれをとってもしみじみと良い曲だと思うのだが、矢島さんのピアノは、いつもながら表現が豊かな素晴らしい演奏で、グリーグの世界に引き込んでくれた。

休憩のあとは、矢島さんによるシェーグレンの「エロティコン」だ。北欧の詩人たちによる詩からインスピレーションを得て作曲された5曲からなる組曲だが、今日は第2曲と第4曲のみの演奏だった。どうせなら全曲演奏してほしかったなと思いつつ、演奏された2曲はやはり素晴らしい。矢島さんのピアノを聴いて不満だったことはない。

このあとはヴァイオリンの鈴木さんが登場して、今日の演奏会に至った経緯などを説明された。毎年行っていた「北欧の風音楽祭」が中断してしまったこと、和田さんが突然スウェーデンに行ってしまい途方にくれたことなど、いろいろと話され、なんらかの形で続けたいということで、今日の演奏会になったということである。

最後は鈴木さんと北田さんによる、ステーンハンマルのヴァイオリンソナタだ。これもしみじみと良い曲なのだが、こうやって生で聴いてみると、ピアノのパートが実に複雑に書かれていることが分かり、やはりピアノ演奏家としてもすぐれていたステーンハンマルらしい作品なのだ。鈴木さんのヴァイオリンも、スラッとした長身で弾く姿も様になっている、いつもながらの貫禄の演奏であった。ピアノの北田さんも見事な演奏で、この曲はピアノは脇役ではないということがよく分かる。この曲では譜めくりをしていた矢島さんが、自分が弾いている時のように表情が豊かだったのも印象的だった。あとで伺ったところでは、「横で譜面を見ていて、自分も弾きたいと思った」そうで、やはり素晴らしい作品だということなのだろう。おそらく生で聴くのは初めてあるステーンハンマルのソナタを存分に楽しむことが出来た。

最後にアンコール演奏として、グリーグの「ペール・ギュント」から「朝」を、鈴木さんと矢島さんのデュオで聴き、楽しい演奏会を締めくくった。

このあとは、演奏者からスウェーデンのお菓子(IKEYAや成城石井で売っているとのこと)がふるまわれ、演奏者3人とそれぞれ直接お話しすることができ、終演後もまた有意義であった。最後まで残った4人は、いつもの(?)「濃い人たち」であった。

「ステーンハンマル友の会」メンバーによる今日のような演奏会が継続的に行われることは期待している。和田さんの帰国予定は全く不明らしい。そのままスウェーデンに永住説も??
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