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2016年09月09日21:19

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

ほぼ1ヶ月おきに書いている、読んだ本の備忘録。
8月は読書もやや控え目だった。


●「心すべては数学である」 (津田一郎著、文芸春秋社)

心は数式で表現できるのだろうか。「心が脳を表現する」のか、「脳が心を表現する」のかという何やら哲学めいた話から、ゲーデルの不完全性定理、無限という概念との格闘、複雑系として捉えた脳、カオスの超越性と心、記憶と時間と推論など、あれこれと話が複雑に絡み合い、もう何が何だか訳が分からない。各章の内容は、数学を学んだことのある人なら理解できないようなものではないのだが、全体を通して読むとちょっと難解な本。


●「エストニア紀行」 (梨木香歩著、新潮文庫)

タイトルに惹かれて、初めて梨木香歩さんの本を読んだ。エストニアは、他国の支配を受け続けた歴史を持ち、それゆえに開発の波を受けず、手つかずの自然や古い信仰、生活習慣が残っている。そんなエストニアを旅した記録である。出会った魅力ある人たち、日本で見ることのなくなった、カワウソやコウノトリなどの話−コウノトリには結局出会えなかったのだが、独特の感性を通して綴られている。


●「ほんとうは怖い沖縄」 (仲村清司著、新潮文庫)

沖縄というと、内地の人は美しいサンゴ礁に青い海の、南国のパラダイスとイメージする人が多いが、実は闇が支配する怖い場所なのだ、という本。霊界と交信するユタがそこら中に普通にいるし、ごく普通の人が「見えないものが見える人」だったりする。内地人が観光スポットとして気軽に訪れるところが、実は沖縄の人は決して入らない場所だったりする。沖縄では信じ難い現象に出くわすことが多いという。著者は、オカルト的なものや超常現象だのは端から否定する人だが、それでもそういう現象に会うことが多く、沖縄には何かがある、ということらしい。


●「あのころのデパート」 (長野まゆみ著、新潮文庫)

昭和40年代、デパートは日曜日に「よそゆき」を着て「おでかけ」する場所であった。大食堂のお子様ランチ、屋上遊園地、おもちゃ売場と回る、楽しい休日であった。そんな時代の思い出を綴り、さらに、のちにデパート勤務をした著者による、当時のデパートの裏側の話など、いろいろな話が満載。当時のデパートのことがいちいち私の記憶と符合するなと思ったら、著者は私と同年代の方。「ピンポイントである年代の人にしか分からないとは思うが」という話が私には通じる。さて、これからデパートはどうなっていくのだろう。
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