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2016年07月31日19:43

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宗教法人の課税について

 お寺や神社の不祥事が報じられると、「宗教法人に課税すべき」という声があがる。ただ実際は、宗教法人だと何でもかんでも非課税になるわけではない。坊主丸儲けというのはあくまでイメージに過ぎない。

 では非課税になる基準は何かといえば、それが「宗教行為にかかわるもの」である場合に限られる。たとえば、寺社の境内などは固定資産税がかからない。お賽銭やお布施、献金など、お葬式や法要、ミサなどで檀家や信徒たちから支払われるものも基本的には非課税となる。

 一方で、宗教法人名義の土地や建物があったとして、それを貸して利益を得た場合、それは営利目的であるから、所得税がかかる。また、神主さんやお坊さん、神父さんが宗教法人から支払われるお給料にも所得税がかかる。お坊さんが個人で塾の先生をしていて、お月謝をもらっていたら、これも所得税の対象になる。

 もちろん過去には、信徒に高額なツボなどを売りつけて、これを宗教行為と抗弁して開き直っていたような宗教団体もあった。しかし現在は、そうしたグレーゾーンもかなり規制が厳しくなっており、税務署も目を光らせている。宗教法人が修正申告をしたり、追徴課税を求められたりするニュースを聞くのもそのためだ。

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 逆に、宗教法人への課税を強化した場合どうなるか。ひとつは、広大な境内をもつ寺社仏閣が大ダメージを受ける。たとえば東京のど真ん中にある明治神宮。あれだけの土地にかかる固定資産税は途方もないはずで、とても支払うことができるものではないだろう。祇園祭で有名な京都の八坂神社が、仮に課税強化で破綻することになったらどうなるか。それは宗教法人だけでなく、周辺にも大きな悪影響を与えることになるだろう。

 また、檀家が減少しつつある地方でも、歴史あるお寺などが相次いで厳しい立場に置かれることになる。「宗教法人へ課税を」という声は、特定の団体のことを考えての発言と思われるけれども、それを一律に行うのは混乱が大きくなり過ぎて現実的ではない。

 「宗教団体なんて別に必要ない」「なくても問題ない」という人も、初詣をしたり、お葬式に参列したりすることはあるだろう。日常的に関わるものではないといっても、実際になくなってしまう、あるいはそういう危険が大きくなるとしたらどうだろう。

 もちろん、宗教法人の金銭トラブルは厳しく取り締まらなければならないし、神主や僧侶も高い倫理観をもって欲しいのは言うまでもないことだけれど、それをして課税云々という議論が高まるのはいいこととは思えない。宗教行為とその他の収益をしっかり分けて申告している神社やお寺が大多数なのだから。

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■興正寺、14億円差し押さえ コンサル社業務委託費未納
(朝日新聞デジタル - 07月31日 05:09)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4120080
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