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2016年07月23日23:19

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【特撮】 あなたの目はあなたの身体を離れて...

試験も終わり、あとはのんびり...という訳にもいかなかった平日。ようやく週末を迎え、今日は精神的にのんびりした気分になった、というか、そう過ごすことにした。

今日は、久しぶりに「ウルトラQ」を第1話から第12話まで続けてみた。(全28話ある)

「ウルトラQ」は1966年(昭和41年)に放送された特撮TVドラマで、のちのウルトラ・シリーズの礎となったものである。50年経った今でも色褪せない不朽の名作シリーズであり、各話それぞれ独立したストーリーになっており、統一感がないといえなくもないが、いろいろな要素が詰まったシリーズで、必ずしも怪獣や宇宙人が出てくる訳ではなく、不思議な世界、「アンバランス」な世界を描いている。ウルトラマンのような超人ヒーローは登場しない。主人公は、零細航空会社のパイロットで自称SF作家の万城目淳(佐原健二)と、見習いパイロットの戸川一平(西條康彦)、新聞社女性カメラマンの江戸川由利子(桜井浩子)の3人で、新聞社の関デスク(田島義文)、科学者で由利子たちのアドバイザーである一の谷博士(江川宇礼雄)などが絡む。

改めて観ると、いい味だしている魅力的なゲスト出演者も多い。もちろん、突っ込みどころもいろいろあるが、いつ観ても楽しめるので、これまでもDVDで何度も観ている。

今日観た12話。

●第1話「ゴメスを倒せ!」
 まずは怪獣物からスタート。ゴメス対リトラが、ゴジラ対ラドンのようにも見えるが、凶暴なゴメスを、怪鳥リトラが倒す(というより相討ち)という話。東京−大阪弾丸道路のトンネル工事現場が舞台で、これは高速道路建設ラッシュの時代を反映か。

●第2話「五郎とゴロー」
 「青葉くるみ」を食べた猿が巨大化してしまう。この話は唖(という言い方は現在は「不適切な表現」か)の青年と猿との心の交流の描き方や、その青年の演技が秀逸。そういえば、淡島ロープウェイは現在は廃止になってしまった。前に淡島に行った時は、もう船で渡るしかなかったなあ。

●第3話「宇宙からの贈り物」
 火星探索ロケットに積んだカプセルが帰ってきた。その中にあった金の玉が、実は怪獣ナメゴンの卵だった。大宇宙の仲間入りの資格のない地球人−戦争や人種差別、人身売買がいまだに行われている−への警告だという。怪獣はナメクジなので海水の塩で溶けてしまうのだが。

●第4番「マンモスフラワー」
 東京のど真ん中、丸の内に出現した巨大な植物。根から人間の血を吸う。東京を危機から救うために即座に退治すべきと考える一の谷博士と、学術的研究を優先させたい源田博士の対立があるが、結局一の谷博士側に同意する。「私はとんでもない間違いをおかすところだった」

●第5話「ペギラが来た!」
 お調子者の由利子や、三枚目の一平が登場しないためか、ちょっと違ったテイストの作品。南極越冬隊に唯一の女性隊員として参加した医師の久原洋子を演じた田村奈巳が良い! 過去に越冬隊員として参加し行方不明になった婚約者を探すために越冬隊に志願した洋子、その隊員の失踪の謎を探るために特別取材員として加わった万城目。二人の微妙な関係が見え隠れする。

●第6話「育てよ!カメ」
 これはコミカルなストーリーだ。カメき○がいの小学生、浦島太郎が、99cmに成長したカメに連れられて竜宮城へ行くも、そこは夢に描いたのとは全く違う殺風景なところで、乙姫も「イメージぶちこわし」な生意気な女の子。ギャングのおじさん(二瓶正也)や担任の先生(大泉滉)との絡みは、役者の個性によるところが大きいが、面白い。

●第7話「SOS富士山」
 富士山が噴火するという前兆が表れる。樹海に住むタケルという青年が、岩石が怪獣化したガルゴスを倒し、生き別れになっていた姉とも再会し、文明社会に戻っていく。「だめだなあ、私は」とばかりいう、頼りない巡査役の金井大がいい味を出している。

●第8話「甘い蜜の恐怖」
 ライバル科学者の成功を妬んだ科学者の行為が、怪獣を生み出し、火山を噴火させてしまうまでになってしまう。薬で生物が巨大化するというのはゴローと似た設定だが、これは心の歪んだ科学者が意図的に生み出したところが違う。自らの悪事を清算するために死を選ぶという、ちょっと重い結末となっている。なお、ハニーゼリオンを作り出すことに成功した科学者木村を演じているのは黒部進、のちのハヤタ隊員である。

●第9話「クモ男爵」
 これは大人テイストな作品。パーティの帰りに道に迷い、無人の洋館に迷い込んだ3人+詩人仲間(?)3人は、巨大なクモに会い格闘する。クモをひき殺して脱出すると同時に、その洋館も炎上して消失する。やはり、京子役の若林映子が良い! 遊び人風の詩人 葉山を演じる滝田裕介もいい味を出している。

●第10話「地底超特急 西へ」
 時速450kmの超特急の招待試運転列車で起きた事件。中央リニア新幹線を先取りしたような近未来の鉄道だが、駅には靴磨きの少年がいたり、「昭和」である。この靴磨きの少年がいい味出している。結局、列車の暴走を止めることは出来ず、北九州の車止めにぶつかって、少年と怪獣は宇宙に放り出されてしまう。「南無八幡大菩薩」と唱えて機関車と客車を切り離す場面があるが、日本の新幹線は動力分散方式になっているのに、「いなづま号」は欧州風の動力集中方式になっているようだ。

●第11話「バルンガ」
 奇妙な風船状の生物が空中に浮かび、地上のエネルギーを吸収して成長している。電気も使えない地上ではあらゆるものが麻痺状態。いかに文明は脆弱なものであるか。それを達観するような老博士奈良丸(青野平義)の存在感が出色。「バルンガは怪物ではない。自然現象だ」という言葉は深い。

●第12話「鳥を見た」
 これは抒情詩のような、ちょっと独特の雰囲気の作品。古代の巨鳥が時空を超えて現在に現れるのだが、日中はおとなしい文鳥のような鳥である。この鳥と少年の交流が一つの主題である。食物を盗んで空き小屋に寝泊まりしている浮浪児が、唯一心を通わせるのがその鳥だ。この少年を演じた津沢彰秀は、「ウルトラマン」での星野少年。なお、怪鳥が町を破壊するシーンは「空の大怪獣ラドン」の流用。

ということで、続きはまたいずれ観たら書こうと思う。

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