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2016年07月23日13:52

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生存率向上の要因

 がんという病気は、病巣と思われるところを取り除いたとしても、転移していたり、全く関係ないところに違うがんができていたりするので、治療が終わったとしても数年間は検査などを通じて経過を見守る必要がある。したがって、普通の病気やケガでいわれるような「完治」に至る状態となるのは難しく、一般的には「寛解(かんかい)」といって、治療は再発や悪化といった状況がみられない段階を目指す。がん治療の進度として「生存率」が適用されるのも、そのためである。

 では、がん治療は基本的にどういったものだろうか。最初に思い浮かべるのは、手術ではないだろうか。胃や肺など、病巣と思われるところを摘出する。ほかに転移がみられないときには有効な治療法である。手術も、かつては病巣の周辺をごっそり取って、がん細胞を根こそぎ摘出しようという方法がとられていた。けれども、それでは患者の負担が大きい。そのため近年では、内視鏡などを用いて傷口をなるべく広げないようにするほか、病巣だけを取り除けるような方法も進んでいる。

 また、病巣に放射線を当てて、がん細胞を狙い撃ちにする治療も一般的になった。これは手術を行わないぶん、患者への負担は少なくて済む。脳などに転移した場合、がん細胞があちこちに点在しているのを取り除くことは難しい。放射線を当てることで、悪化を防ぐことができる。脳に転移した場合は、頭痛だけでなく、幻覚がみえたり、身体への機能に著しい悪影響がでる可能性もあるので、こうした治療は非常に有効といえる。


 そして、がん細胞があちこちに転移していた場合、あるいは手術自体は成功したとしても経過を見守る段階にある場合などに用いられるのが、抗がん剤である。数日にわけて点滴するものが一般的だけれど、最近は飲み薬も増えてきた。
 抗がん剤のメカニズムは、がんが細胞のなかで増殖力が強いものであるという特徴を捉えて、そうした性質の細胞分裂を抑えていこうとする。そのため、髪の毛やツメなど、やはり伸びやすいものを抑えることになってしまい、脱毛などの副作用となる。

 もっとも、細胞にとってこうした抗がん剤は、自らの成長や分裂を阻害するものだから、間もなく抗体を作る。これが分裂をはじめると、その抗がん剤の効き目は限定的となる。
 そのため、異なる抗がん剤が多ければ多いほど、がん治療、とりわけ生存率を高めることにつながる。がん治療の選択肢が広がるからだ。

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 がん患者の生存率が高まっていることは、治療法の選択肢が広がったこと、そしてそれぞれの方法で患者の負担が軽減するようになったことがあげられる。副作用なども抑えられるようになったことから、長期入院を強いられることも少なくなり、日常生活を営みながら通院で治療できるようになったことも大きい。

 けれども、肝臓や膵臓など、自覚症状が出にくいために発見した段階ではすでに手遅れといったがんもあり、これらの生存率は未だに低い。また、肺がんなどは呼吸に障害を伴うことも多く、がんの部位によって負担には差が大きい。


 がん治療、がん研究は日進月歩で、新薬も次々と世に出ている。検査の精度、治療法の多様化も進んでいる。保険の適用がない先進医療、これまでとは異なるメカニズムの治療など、選択肢も広がりつつある。

 一方で、「抗がん剤はダメ」とか「この食品を食べれば治る」といった声もなくなることはない。確かに抗がん剤で病巣がすべてなくなるという見通しは少なく、身体に対する負担も大きい。ごくわずかな症例のなかでは、特定の食品でがんがなくなったケースもあるだろう。

 ただ、だからといって治療の選択肢を狭めてしまうのはどうだろうか。専門家の間でも見解が分かれるものもあるには違いないけれども、それならば複数の医師からアドバイスを受けて、自分にとって最適な治療を見つけばいい。

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がん、5年生存率62.1%に改善
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4105020
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