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2016年07月09日12:12

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「殺処分をなくす」だけではいけない

 犬の殺処分件数について、私の郷里は都道府県のなかで常に上位に位置しているワースト県のひとつだ。他では数十匹、数百匹程度であるのに対して、年間で二千匹前後も処分されているのは、褒められたものではない。

 近年、自治体のなかでも犬や猫たちの殺処分をゼロにしていこうという運動が広がっている。救える命を少しでも増やせるのならば、それに越したことはない。

 けれども、殺処分を減らすことはあくまでも手段に過ぎないということも頭に入れておくべきだろう。というのも、仮に処分する件数を減らしたとしても、保護される犬や猫たちには新たに受け皿が必要になる。NPOやボランティア団体が一時的に引き取り、新たな飼い主を見つける活動をしているけれども、それにも限界がある。

 実際に減らしていかなければいけないのは、捨てられるペットたちということを忘れてはならない。

 もちろん、やむを得ない事情でペットを手放さざるを得ない場合もある。飼い主が病気になってしまったり、ペットが住めないところに引っ越さなければいけないといったことなどもある。そういうケースについては、新たな飼い主を斡旋する窓口のようなものを作り、「捨てる」ということをないようにするシステムを拡充していく。飼い主がペットを無責任に放り出すのがいけないのは当たり前だけれど、仮にそうなりそうな場合でも、相談や対策を一緒に考えてもらえる相手がいれば、状況も変わっていくのではないだろうか。

 殺処分されるペットに対して「かわいそう」という思いを抱くのは、ある意味で当然の感情だ。それをなくしていくことも重要である。ただそこだけで終わってしまうと、処分をまぬがれたペットたちが一部の施設に溢れかえるだけであり、問題としては何も解決していない。また、捨てる飼い主を非難するだけでも、そうならないような対策を打たない限り、状況の変化はあまり望めない。

 ペットを飼おうとするとき、飼った後の悩み、やむなく手放さざるを得ない場合、これらについても適切な窓口を作って相談ができること。そして最悪の場合でも、ペットたちが新たな飼い主のもとに行けるようにすること。こうした全体的な流れを作っていくことこそ、大切なのではないだろうか。そしてそこには「かわいそう」だけでない、理性的な行動も求められてくる。

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飼い主を最期の時まで信じながら、ガス室で死んでいく犬たちの現実
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=140&from=diary&id=4082600
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