最近購入したCD。今回は1枚のみ。
●芝祐靖 (日本、1935- )
・御成婚祝典序曲 -皇太子殿下美智子妃殿下御成婚祝典序曲-
・親愛 -晩餐会入場音楽-
・皇室讃頌の音楽
・早春 -香淳皇后八十賀奉祝曲-
・香淳皇后御歌
・銀婚の賦 -皇太子同妃両殿下御結婚満25年奉祝曲-
・更衣幻想曲 -晩餐会奏楽曲-
・慶翔楽 -昭和天皇香淳皇后御結婚満60年奉祝曲-
・太平楽 -晩餐会奏楽曲-
・高天原とよみ 1章 天鈿女命乱舞
・高天原とよみ 2章 松明残燈
十束尚宏指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢
小川明子(アルト)、篠崎史子(ハープ)、芝祐靖(龍笛、和琴)、宮丸直子(鞨鼓)
井上麻子(アルト・サクソフォン)、宮田まゆみ(笙) (2016録音、JVC)
800年以上続く楽家に生まれ、宮内庁楽部に奉職した芝祐靖氏の作品集。このことと作品名を見ると、雅楽のCDかと思うが、実は「幻遥」と題するこのCDは、オーケストラ作品集である。芝家では130年ほど前より、雅楽と並行して西洋音楽も習得し、実際、祐靖の祖父や父、兄はヴァイオリンを得意とし、母はクリスチャンで教会のオルガン奏者であったという。祐靖自身も、若い頃のフルートを構えた写真が残っている。そういう背景のもと、皇室の行事などに合わせて作られた音楽は、まさに東西の融合の響きである。
1曲目の「御成婚祝典序曲」は、「洋楽曲の作り手がいないためお鉢が回ってきた」そうで、当時23歳。「冒頭のホルンのソロに和琴の音階を取り入れ、ヴァイオリンは笙のように扱う」などとしたそうで、初めて作った作品とは思えない素晴らしい曲だ。香淳皇后の読まれた御歌に曲を付けた歌は、当時選外になり今回が初演らしいが、自然と涙があふれるような歌だ。「太平楽」は、冒頭は龍笛と鞨鼓に導かれるが、そのあとのオケが特撮映画の音楽みたい???
今回初CD化の作品ばかりの貴重な録音であり、雅楽雅楽した曲ではないのだが、いずれも日本人の心に響くような音楽だ。
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