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2016年06月14日20:38

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

不定期に書いている、読んだ本の備忘録。


●「地中生命の脅威」 (デヴィッド・W・ウォルフ著/長野敬+赤松眞紀訳、青土社)

 地面の土をちょっとすくってみると、そこには地球上の人口を上回る数の生物個体が存在する。その大部分は名前もなく、分類も理解もされていない。この本は、知られざる地中生物について書かれたもので、そもそもの地球生物の根源から、過酷な環境下に生存する生物、これまでの概念を根本から覆したウーズの系統樹の話、菌類、細菌類やミミズなどの生態、そして地中生物と地球環境全体とのかかわりなどについて書かれた、生物には門外漢な自分にも興味深くく読むことができた本である。


●「アイヌと縄文」 (瀬川拓郎著、ちくま新書)

 日本の古代史が、旧石器時代から、縄文、弥生を経て、飛鳥・奈良時代へと移っていったのに対し、アイヌ人は弥生時代に相当する文化を経ていない。アイヌ人は縄文人の末裔であり、平地人となることを拒否して、北海道の山中にとどまり縄文の習俗を継続した。縄文時代に続く、続縄文時代、オホーツク文化との絡み、擦文時代を経て、ニブタニ時代(アイヌ文化が成立した時代)と追いつつ、「もう一つの日本古代史」を記した本。なかなか興味深い内容だ。


●「バイエルの謎」 (安田寛著、新潮文庫)

 多くのピアノ初心者が親しんできたバイエル教則本。しかし、そもそもバイエルって誰? どんな経歴の人? と言われると、なぜか誰も知らないという、有名な無名人だ。この本は、そのフェルディナント・バイエルを追って、教則本の初版を探しに行ったり、架空人物なのでは? 複数の作曲家の共通のペンネームなのでは? といった疑問について現地に飛んで検証したりして、ついにフェルディナント・バイエルの生きた証を見つけるまでの、執念ともいえる記録である。


●「小田急沿線の近現代史」 (永江雅和著、クロスカルチャー出版)

 小田急関係の本は多数読んでおり、目新しい内容はほとんどないのだが、つい買ってしまう。開業時の有力者の「活躍」や、用地買収についての土地所有者との「駆け引き」、駅設置をめぐる地元自治体の「騒動」などを中心に、沿線各駅について順を追って記した本。著者の勤務する専修大学経済学部の講義ノートをまとめたものだというが、長年小田急沿線に住んでいる人なら、聞いたことある話も多い。


●「臥龍」 (今野敏著、徳間書店)

 横浜で関西系の暴力団組長が殺された。ある暴力団組長を容疑者として逮捕する捜査陣。何か引っかかるものを感じる「ハマの用心棒」こと、みなとみらい署の諸橋は、上層部の捜査方針に疑問を感じ、独自の捜査をはじめる。キャリア組の上層部と対立しつつも、暴力団であろうと冤罪は冤罪、あくまでも事実こそが唯一の正義と、自身の信念を貫く諸橋たち。何冊も出ているみなとみらい署シリーズの1冊である。
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