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2016年05月22日20:30

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【音楽】 アウローラ管弦楽団演奏会 〜プロコフィエフ

昨日に続き、2日連続の演奏会である。今日はアウローラ管弦楽団の第15回定期演奏会だ。アウローラは都内で活動を行っているアマオケである。名前の‘Аврора’とはロシア語で「暁の女神」を意味する。

今日のプログラムは次のとおり。

 ・プロコフィエフ:「戦争と平和」序曲
 ・プロコフィエフ:ピーターと狼
 ・プロコフィエフ:交響曲第5番

   指揮:米津俊広、ナレーター:武藤裕子
   会場:すみだトリフォニー (13:30開演)


今日はオール・プロコフィエフ・プログラムである。プロコフィエフが大好きなのかと問われると何とも言えないが、以前は「聴かず嫌い」だったプロコフィエフの作品も、最近は結構聴くことが多くなっている。トルストイの小説「戦争と平和」を題材にした長大な歌劇の序曲、子供向けの楽しいおはなし、そして交響曲と、今日はプロコフィエフを十分に堪能できるプログラムである。

すみだトリフォニーに向かう階段では、東京スカイツリーを定点観測。毎回写真を撮っているような気がする。会場は大入りのようだ。

1曲目は「戦争と平和」序曲であるが、歌劇自体は聴いたことがない。(恥ずかしながら、トルストイの小説も読んでいない) 序曲しか知らないが、その序曲に物語の中身が詰まっているようで、気合いの入った演奏により、壮大な歌劇の片鱗を感じることが出来た。1曲目から好調な出だしである。

続いては、がらりと雰囲気が変わり、武藤さんのナレーターを加えた「ピーターと狼」だ。この曲を初めて生で聴いたのは小学生の時である。どこのオーケストラか全く覚えていないが、小学校の体育館にて日曜日に演奏会が開かれたのである。人形劇を加えた楽しいおはなし、のつもりであったろうが、その人形劇がふざけている感じで、「ちゃんとしたクラシック音楽を聴きたい」と思っていたのに、子供ながらもこれはひどいと感じて、途中で抜け出してしまったのを覚えている。それがトラウマとなったか、プロコフィエフは「聴かず嫌い」となったのである。それ以来40年ぶりの「ピーターと狼」だ。

これは楽しい。音楽とナレーションだけで、聴いている子供たちがイマジネーションを膨らませることが出来るのだ。ふざけた人形劇なんか要らない。最初に楽器の役割が紹介されるが、狼のホルンはちょっと大人しいように感じたのは気のせいか。それに対して、漁師の鉄砲のティンパニの激しいこと。これでは狼は勝ち目はないな(笑)。次々と楽しい音楽に乗せて物語は展開する。そういうストーリーだったかと、忘れかけていたところも思い出しつつ、楽しい30分間だった。(武藤さん、1か所トチっちゃいましたね。)

休憩のあとは交響曲第5番である。この曲が面白く感じられるようになったのはわりと最近で、以前は、牧歌的雰囲気で始まると思ったら激しくなったり、皮肉まじりのような音楽だったり、時に不協和音が混じったり、そうかと思うと、しっとりとした音楽になったりして、最後の楽章は華やかにしめくくる。なんだか訳が分からないという感じだったが、それゆえに最近は面白い音楽だと思えるようになった。生で聴く機会は少ない(初めてではないはず)が、こうやってじくりと聴いてみると、プロコフィエフらしさがぎっしり詰まった音楽であることが分かる。ショスタコーヴィチの7番と同じく、戦時中の作品であるが、プロコフィエフらしい「遊び」があるような気がする。アウローラの演奏も素晴らしく、じっくりと聴くことができた。

アンコールは、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」から、あの有名な曲、「モンタギュー家とキャピュレット家」で、今日の演奏会をしめた。

「戦争と平和」も交響曲第5番も良いが、今日の収穫は40年ぶりの「ピーターと狼」を楽しく聴けたことが大きい。
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