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2016年05月21日21:09

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【音楽】 N響定演〜ネーメ・ヤルヴィのカリンニコフ/ベートーヴェン

今日は、コンサートに行った。久しぶりのNHK交響楽団の定期演奏会である。
今日のプログラムは次のとおり。

 ・カリンニコフ: 交響曲第1番
 ・ベートーヴェン: 交響曲第6番「田園」
 
   指揮:ネーメ・ヤルヴィ
   会場:NHKホール (15:00開演)


今日のNHKホールはほぼ満席だった。オケの音合わせが終わり、拍手に乗ってネーメ・ヤルヴィが登場する。ヤルヴィは1937年生まれであるから今年79歳ということになるが、指揮台にスタスタと向かう姿は年齢を感じさせない。

1曲目はカリンニコフの交響曲第1番である。今はそれなりに知られた曲だと思うが、まだマイナー作品だといえるだろう。そんなマイナー作品も、これまでネーメ・ヤルヴィのCDでたくさん知ったが、こうやって生で聴けるのはやはりうれしい。カリンニコフの1番を生で聴くのは3年ぶりで、ヤルヴィ/N響で聴くのはもちろん初めてだ。この曲は大好きな曲で、初めて聴いた時(ちなみに、そのCDはヤルヴィ指揮によるもの)から、すっかり惹きつけられてしまった。冒頭のメロディーからすっと入ってしまう。今日も良い感じで始まったが、そのまま最初から最後まで聴いていて心地よい演奏だった。第2楽章など絶品だったし、第4楽章の締めも素晴らしい。そういえば、最後のトライアングルは、楽器を吊るして両手で打っていた。今まで気付かなかったなあ。改めて、自分はこの曲が好きなのだなあと再認識することが出来た。これもヤルヴィの素晴らしい指揮とN響の素晴らしい演奏のおかげだ。

休憩のあとは、ベートーヴェンの「田園」だ。今さらな超有名曲だが、だから退屈するかというと、そんなことは全くなかった。それどころか、今まで聴いた「田園」の中でも最高と言ってもいいかもしれない演奏だった。変な力みもなく、わざとらしい作為もなく、音楽が自然に流れる感じで、「田園」ってこんなに素敵な曲だったんだと、今さらながら思った次第である。第2楽章など特に素敵で、うっとりと聴き入ってしまった。ヤルヴィの指揮だし、もしかしたら快速演奏になるのかなと予想していたらそうではなく、むしろゆったりとした感じで、それが非常に心地よいテンポになっていた。ベートーヴェンの交響曲のような、よく知っているつもりの曲でも、新たな感動を得ることが出来た素晴らしい演奏であった。

終演後の拍手の中、何度目かでスコアを持って引っ込むも、拍手が鳴りやまず再びスコアを持って出てきた。でも、本当に終わりだよと引っ込みかけ、「おっと指揮棒を忘れた」と、また戻って指揮棒を持って、今度は本当におしまい。ちょっとお茶目なところもある。

指揮者ヤルヴィというと、最近はパーヴォ・ヤルヴィをいうことが多いかもしれないが、父ヤルヴィもまだまだ健在である。健在どころか、その棒から奏でられる演奏の素晴らしさは、現役バリバリの名指揮者であることを改めて認識されられた。パーヴォは新たな解釈を加えて、現代風のスマートな(といえるかどうか分からないが)指揮を目指しているとすれば、ネーメは長年のキャリヤの差を見せて、「パーヴォよ、まだまだだな」とでも言っているような気がした。
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