mixiユーザー(id:2230131)

2016年01月13日17:57

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Dig Out Your Soul/Oasis

 オアシスとは、長らく自身のトレードマークたりえるサウンドを確立できなかったバンドである。

 オアシスと聞いてまず思い出すのは、ある特定のサウンドよりも、リアムのオラオラ声(笑)だと言う人は少なくないはずだ。華々しいデビューを飾った『オアシス(原題:Definitely Maybe)』にしたって、時代遅れの腐ったシューゲイザーみたいなサウンドだったし(言い過ぎ)、誰もが夢中になれたのは、単純にノエル・ギャラガーが書く曲に対する評価だったことを、いまさら疑う者はいないだろう。

 そこで今回、事実上のラスト・アルバムになってしまった『ディグ・アウト・ユア・ソウル』は、オアシスらしいサウンドを確立できたはじめての作品と言っても過言ではない。ここにきて、ようやく。
 本作で展開するのは、60年代のサイケデリック・ロックを基調としながら、よりリズムに重点を置いたもので、ヘヴィーなバス・ドラム、うねるベースラインが特徴的なグルーヴィーなサウンド。アルバムの後半には、音響面に意識した“フォーリング・ダウン”のようなオアシスらしからぬナンバーも登場する(コーラスになるといつものオアシス・メロになってしまうのだけれど)。

 おそらく2000年以降の潮流とも言える、新しい「ダンス×ロック」なサウンドという意味で、カサビアンなど弟分バンドからの影響もあったのかもしれない。これといって斬新な音ではないが、「オアシスらしいサウンド」という意味では、これ以上なくハマっている。やはり彼らの曲には、この手のわかりやすく豪快な音がよく似合う。むしろ最初の2作をこのサウンドでリミックスしてほしいとすら思う(笑)。

 個人的なハイライトは、リアムが自身のヒーローであるジョン・レノンに捧げたという“アイム・アウタ・タイム”。全体的にヘヴィーな曲が多い中、中盤に配置されたこの曲の極上のセンチメンタリズムには心から癒される。曲調もどことなくジョンぽいのがイイね。
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