mixiユーザー(id:2230131)

2014年10月12日20:25

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Kasabian/Kasabian

 なんとも激しく頭の悪いサウンドなのだろうか。

 いや、褒めているんですよ。とにかくリズム隊の重心は低ければ低いほどカッコイイ!的な間違った思い上がりを信じた、ドスンドスンと腰に来るビートと、ダビーな重低音。にしては、意外なほど軽やかな、グルーヴィーな直球ダンス・ロック。マッドチェスターを経由したギター・リヴァーヴのサイケデリックな揺らぎ。一時期のプライマル・スクリームを彷彿させる、セクシーかつ危険な匂いがプンプンと香り立つ退廃的でダークなフィーリング。

 最高にカッコイイじゃないか。一大アンセム“クラブ・フット”における、投げやりなコーラスがいかにもバカっぽいが、同時に若者特有の傍若無人さが出ていて良い。俺が高校生くらいだったらもっともっとドハマりしてたことは間違いない、ムシャクシャしたときに学校サボって聴く分には間違いなくアガる必携盤だ。

 興味深いのは、本来、エレクトロニクスをバンド・サウンドに取り入れたこの手のサウンドって、一昔前だったら斜に構えたナード(≒オタク)がやる音楽だって相場が決まっていた気がする。ところがカサビアンは、オアシスを崇拝してることからもわかる通り、旧来のロック・スター然とした生き方を実践するゴリゴリなラッド気質…。

 彼らの登場は、すごく2000年代以降という時代のムードを象徴しているような気がする。過去を思い返せば、いかにもナードな風貌だったケミカル・ブラザーズが登場した矢先、前述したようなオアシスやプライマルとコラボを始めたときに感じた違和感。あのとき既に始まっていたのかもしれない。たとえば労働者階級の不良少年が社会への反抗を表現すべくロック・バンドを組んだとき、真っ先に手にすべき楽器がギターからサンプラーへと移り変わった瞬間、とでも言うべきか。
 奇しくもEDMが若者を中心に席巻した2010年代以降の時代のムードとも呼応しているような気がする。
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